自然エネルギーを増やす
問題点と解決策
問題点:
地球温暖化
地球上のすべての生物に影響をおよぼす地球温暖化が、いま人類が直面している最大の環境問題です。
過去100年で、世界の平均気温は0.74℃も上昇しました。
0.74℃と聞くと「そんなに少しなの?」と感じるかもしれませんが、19世紀までの1000年間の気温変動が約0.2℃だった事を考えると、過去に文明社会が経験したことがないほどの急激な気温上昇であることがわかるでしょう。
地球の生態系が共存していくためには、産業革命以前と比べた時の世界の平均気温上昇を2℃未満に抑える必要があります。
平均気温の急激な上昇は、異常気象、洪水の発生、感染症の拡大、農作物の収穫への悪影響、水不足など、世界各地で様々な問題を引き起こしています。
温室効果ガスとして代表的なものは二酸化炭素ですが、二酸化炭素は一度放出されると、生態系などに吸収されない限り、いつまでも大気中に残り続けます。
そして人間の活動によって、二酸化炭素は年間72億炭素トン排出され、このうち41億炭素トンが、毎年大気中に蓄積されていると言われています。
地球を汚すエネルギー:化石燃料と原子力
日本のエネルギーの8割は石油や石炭などの化石燃料を燃やしてつくられており、日本は世界でもっとも多くの石炭を輸入している国のひとつです。
日本では近年、原子力発電が温暖化対策として推進されています。
発電量あたりの二酸化炭素排出量だけをみれば、原発は化石燃料と比べて少ないといえますが、原発は建設までに長い時間がかるうえ、放射性廃棄物や事故など深刻な危険がともない、さらに建設や点検・整備・解体に莫大な費用が必要です。
また原発は、出力の細かな調整ができないため、出力調整が容易な火力発電とセットで運転しなくてはなりません。
そして事故などで原発が停止したときに備えるためにも、火力発電所を必要とします。
つまり原発が増えても同じ分だけ火力発電所が減るとはいえず、原発推進は二酸化炭素の削減につながりません。
解決策 :
地球温暖化による危険な気候変動を避けるためにグリーンピースは、これまでのエネルギー政策の大変革(Revolution)とエネルギーの使い方の飛躍的な進化(Evolution)を呼びかけるエネルギー・[R]eボリューション(Energy [R]evolution)をすすめています。
エネルギー・[R]eボリューションとは:
自然エネルギー(太陽光・風力など)とエネルギー効率の向上(省エネ)で世界中のエネルギーを100%まかなう方法を記したシナリオで、世界の地域ごとに作成し、地球を汚すエネルギーの代替案として、政府や企業に提案と働きかけを行っています。
エネルギー・[R]eボリューションの特徴は:
グリーンピースと欧州再生可能エネルギー評議会(EREC)が科学的データに基づいて作成したシナリオです。既存の技術を利用することを前提とし、経済発展と人口増加を考慮しており、節約と我慢を強いるハードなシナリオではありません
これにより、地球を汚すエネルギー(化石燃料・原子力)の段階的な廃止が可能になります。
エネルギー・[R]eボリューション(Energy [R]evolution)推進には、グリーンピースだけでなく市民1人1人が政府や企業に働きかけていく必要があります。
ぜひみなさまのご協力を、よろしくお願いいたします。
地球を汚すエネルギーについて詳しく読む >>