記事 - 2013-03-29
食品流通の中で広がる放射能汚染を調査するため、福島県と愛知県のスーパーマーケットで購入した、18道県を産地とする30サンプルの鮮魚の抜き打ち調査を行いました。この調査で検査した食品の購入は、ボランティアの市民調査員の方がご協力下さいました。みなさまありがとうございました。
放射能測定室 シルベク 食品放射能調査
12回目:スーパーマーケット魚介類
調査結果
2012年3月3日から3月19日にかけて、18道県を産地とする30サンプルの鮮魚を検査した結果、愛知県刈谷市にあるイトーヨーカドー刈谷店で購入した岩手産のマダラから1キログラムあたり2.6±0.6ベクレルの放射性物質セシウム137を検出しました。
商品およびサンプル購入先店舗などの情報は、PDFでご確認ください。
調査内容
- 調査期間: 2013年3月3日~3月19日
- 対象: 18道県を産地とする30サンプルの鮮魚(北海道、青森県、岩手県、宮城県、秋田県、福島県、茨城県、千葉県、富山県、石川県、静岡県、三重県、和歌山県、兵庫県、鳥取県、長崎県、宮崎県、沖縄県)
- 購入場所: 福島県と愛知県に店舗がある大手スーパーマーケット5社:イオン、イトーヨーカドー、ユニー(アピタ)、ダイエー、西友
- 検査方法: 第三者機関(株式会社 エフイーエーシーと株式会社エコプロ・リサーチ )で、ゲルマニウム半導体検出器を用いてヨウ素131、セシウム134、セシウム137について検査(検査報告書PDF >>)
<ストロンチウムの測定について>
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グリーンピースは、食品検査の結果をより多く、より早く消費者の皆さまへ伝えたいと考えています。
測定方法の違いにより放射性ストロンチウムの測定には、数週間の時間がかかり、費用も高額であることなどから、グリーンピースは放射性セシウムの測定を優先して行っています。
同時に、放射性ストロンチウムの調査規模が拡大されるよう、日本政府に要請しています。 引き続き、皆さまが自らの健康を守るため自衛の対策を取れるよう、そして皆さまと一緒に企業の方針や政府の政策を変えていくために、グリーンピースは調査を続けます。
グリーンピースの提案
政府の定める「食品に含まれる放射性セシウムの基準値(一般食品では1キログラムあたり100ベクレル)」を流通基準としている現在では、汚染された魚の流通を完全に防ぐことは困難です。
牛肉では実現しているトレーサビリティー体制(いつ、だれが、どこで生産し、どのような経路で流通したかを追跡することができる仕組み)を魚介類で確立させることが、消費者の購買に対する不安を取り除くひとつの方法です。
消費者の不安を解消することは、漁業復興の実現に大きな一歩で近づきます。
これを現実にするため、グリーンピースは下記3つの取り組みを提案しています。
- 汚染された魚介類の流通を防ぐ
© Kazuya Hokari/Greenpeace
魚介類が水揚げされる漁港は流通のスタートです。
すべての漁港でより多くの検査が実施されることが必要です。
- 魚介類のトレーサビリティー体制をつくる
スーパーや回転寿司などに並ぶ魚介類が、いつ、どこで、誰によって獲られたか、そしていつ、誰が、どのように流通したかを追跡できる流通システムをつくる必要があります。
- 安心して買い物ができるような情報を提供し、風評被害も防ぐ
「1キログラムあたり○○ベクレル」という具体的な数値に加え、実際にその魚が獲られた海がどこなのかが表示されることで、消費者は自身の基準と照らし合わせて魚を選ぶことができます。
このような被害を二度と生まないよう、一刻も早く原発依存から脱却し、自然エネルギーへとシフトする政策が必要とされています。
グリーンピースの取り組み
© Kazuya Hokari/Greenpeace
- スーパーマーケットに放射能汚染問題への取り組みも含めた取り組みについてアンケートを行い、ランキングを発表しました。
お魚スーパーマーケットランキング(PDF) >>
- スーパーマーケットに取り組み強化を求めるオンライン署名を実施しています。
ぜひご参加ください >>
- 消費者と一緒に、大手スーパーで販売される魚介類の抜き打ち検査を継続します。
- 漁業者と協力し、魚介類に含まれる放射性物質の調査を計画的に継続します。
- すべての調査結果を、消費者に分かりやすく発表します。
- 大手スーパーに対して、検査の強化やトレーサビリティーの体制づくりを急ぐよう交渉します。
私たち消費者ができること1
大手スーパーマーケットに「消費者の声」を届けましょう!
放射能汚染された魚や、乱獲や違法に獲られた魚を、買ったり食べたりしたくないと、流通の鍵を握るスーパーに伝えてください。
スーパーマーケットは消費者の需要で動きます。
実際に業界最大手のイオンは原発事故から8か月経った2011年11月、6,000件のお客様の声を受けて『放射性物質"ゼロ"を目標に検査体制を強化する』と発表しました。
こちらからオンライン署名「一週間、魚食べずに過ごせる?」にご参加ください >>
私たち消費者ができること2
寄付で調査を支えましょう!
グリーンピースが行う調査やその他の活動は、全て市民のみなさまの寄付で行っています。
一人一人のご寄付が、安心な食へとつながります。
ぜひ、ご寄付でご参加ください。 寄付はこちらから >>