オーシャンズ6 3.11から立ち上がった虹の戦士たち 第6回 服部至道さん

記事 - 2014-01-31
3.11を機に立ち上がった虹の戦士たちにお話を伺いました。第6回目は、会社員として働きながら、エネルギーシフトパレードの運営や首都圏反原発連合のスタッフを担当する服部至道さんです。虹の戦士になるのに、特別な資格は要りません。環境や、周りの人を思って行動する時、人は誰もみな虹の戦士です。みなさんも今日から、虹の戦士の仲間入りをしませんか?

オーシャンズ6 3.11から立ち上がった虹の戦士たち 第6回 服部至道さん

虹の戦士とは

「いまに、地球は病み、海は黒ずみ、川の水は毒となり、動物たち植物たちも姿を消しはじめるとき、まさにそのとき、人々を救うために世界中から虹の戦士が現れる」

北米先住民族に伝わる伝説です。
グリーンピースの船"虹の戦士号(Rainbow Warrior)"は、この伝説にちなんで名付けられました。

このシリーズでは、グリーンピースの海洋生態系を担当している花岡和佳男が聞き手となり、お話を伺った方を6名、「3.11から立ち上がった虹の戦士たち」として順にご紹介していきます。

普通の人が声をあげることが大切

-- ふだん、どのような活動をしていますか?

3.11以降はエネルギーシフトパレードという、誰でも参加できるパレードの運営に関わっていました。
今は首都圏反原発連合のスタッフをしています。
普段は会社員をしています。

-- 活動を始めたきっかけは?

やはり福島第一原発事故ですね。
もともと大学時代に環境ボランティアをしていて、そこでゴミのリサイクルなどの問題に関わっていました。
原子力よりも自然エネルギーになるべきだとは思っていましたが、深く考えてはいませんでした。

-- 当時、事故についてどう感じましたか?

ホットスポット(放射線量の高い地域)に住んでいます。事故後、3月15、16日に雨が降りました。
その時、放射能が降下してくるから「逃げてくれ」、「室内にいてくれ」という情報をたまたま耳にしたんです。
普通に会社に行くために駅に人は向ってるし、みんな買い物もしている。なのに「逃げてくれ」って言われて、どうしていいか分かりませんでした。
でも、妻がいて、ここで家族を作って行こうと決めた矢先だったので、そこから原発について考えるようになりました。

-- 最初に参加した活動は?最初の一歩は大変でしたか?

情報は集め始めましたが、しばらく悶々としたまま具体的なことは何もしていませんでした。
そんな時、4月に行われたアースデイで第一回エネルギーシフトパレード(以下エネパレ)に誘われ、友人について行ったら5000人くらい参加者がいたんです。
そこで初めてデモを知ったのですが、エネルギーについてこんなに考えている人がいるんだ、考えなきゃいけないと感じました。
デモっていっても怖いデモじゃなくて、子どもも誰でも参加できるようなパレードでした。

-- パレードの参加者から運営側になったのですね?

ホットスポットに住んでいて、東京電力や当時のSPEEDI(緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム)の情報公開の遅れなど、政府の対応にかなり腹が立っていました。
怒りの矛先をどうしたらいいんだ、と考えたとき声をあげなければいけないと感じたんです。
もっとこのムーブメントを大きくして世論を高めようと思い、エネパレのスタッフになりました。

-- 活動の中で生まれた課題はありますか?

エネパレの活動や参加した地域の活動を通じて、つながって行くことの必要性を感じました。
時間が経つと、だんだん関心は薄れてきてマスコミも報道しなくなるし、どんどん風化していきます。
何とか別々に活動している人を結び付け、大きくしないといけないと思いました。

-- 横のつながりを作ることが大切ということ?

そうです。原発デモを始めたグループで連携をして行こう、という話し合いが2011年9月頃から始まりました。
そこで横のつながりを作ろうと、首都圏反原発連合ができました。

-- 横のつながりによって参加者が増えたのが、金曜日の官邸前デモですね。

大飯原発の再稼働についての閣議決定が首相官邸で行われるということで、人を集めて直接抗議をしようということになりました。
2012年3月29日に官邸前での初のデモが行われ、最初は200人くらいの集まりでした。
たまたま閣議があるのが金曜だったのと、金曜日の夜は会社員でも参加しやすい時間帯ということもあり、大飯原発の再稼働を阻止するため最初は何となく毎週金曜18時に集まるようにりました。
参加者がだんだん増え、6月29日には20万人に増えました。

-- なぜそんなに沢山の人が集まったのでしょう?

参加者が4500人を超えるようになったくらいから、テレビで報道されるようになったんです。
それまで、原発は良くないという気持ちがある人も、仕事があったり、なかなか声を上げにくい状況でした。
今まで原発問題に取り組むと、周囲に政治的な人と思われがちだったように感じます。
「人が集まっているから行こう」という雰囲気が報道によって出来たことで、一気に人が集まりましたね。

-- 民主主義に大きな一歩ですよね?

2012年8月に野田首相(当時)に会うことになったことは、市民の声が無視できないということの表れですよね。
原発問題に関わらず、官邸前は人が集まる場所、抗議する場所として認識されるようになり、デモは文化になって、官邸前は声をあげられる場になりました。
市民が声を上げて良いとみんなの意識に浸透してきたことが、民主主義にとって大きな成果だったと思います。

-- その横のつながりが、全国的なネットワークに発展しているのですね?

全国から私たちの活動を灯台の灯のように感じてくれている人がいてくださって東京に来る機会に、その地域のことをしゃべってくれる。首都圏での政治的な部分に絡んで行くのと並行して、原発立地地域の人に来てもらったり、こちらから出向いてつながりを作り、全国的なネットワークの中の活動にしたいと思っています。

-- 今、力を入れていることは何ですか?

今年、再稼働を何としても阻止したい。
政治を実際に動かすということをしていかなければいけないと思っています。
選挙に関しては、原発を止めたいという趣旨で集まっているので、政治的には中立を貫いていますが、2012年の衆院選と2013年の参院選のときに「あなたの選択プロジェクト」として、各政党の原発に関するスタンスをまとめたフライヤーを50万枚ほど刷りました。
それを参考に議員を選んでもらうために、みんなが配ってくれたんですが、それがとても大事だったと思います。
こうした市民の輪は今後、どんどん広がって行くと思います。

-- 海の汚染についてはどのようにお考えですか?

サーフィンをするので海が大好きで良く行きますけど、心配ですね。
海のホットスポットもあるし、海だけじゃなくて、川も山から下りてきた放射性物質が蓄積しています。
こうしている間も汚染水が漏れ続けているのにマスコミは報道しない。
東電も政府も隠す。誰も海の調査に本腰を入れない以上、より一層グリーンピースのようなグループがウォッチ(監視)し続けないと大変なことになると思います。
漁師さんの協力を得て調査をするのは大変だと思いますが、ぜひウォッチし続けレポートしてほしいです。
それを伝える方法として僕らのような活動の場を利用してもらえればと思います。

-- 活動を続け広げて行くうえで、大切にしていることは?

私は「普通の人」であることを大事にしてます。
普通の人が声をあげたり、政治に参加することが大切だと思ってます。
官邸前の抗議活動では、エネパレの仲間や有志が主体になってファミリーエリアを作りました。
ちょっと過激に見える行動でも、どんな人でも大事にする、参加できることを大切にしてきました。
「誰でも参加できる」が文化になってきています。
普通の人が、ちょっと通常の生活の中に問題意識と行動を合わせてやって行くことをこれからも訴えたいし、私も普通の会社員でいたいと思っています。

-- 今後の活動について告知はありますか?

2014年3月9日(日)に、反原発運動に取り組む3グループが呼びかけ団体となり、NO NUKES DAYを開催します。
13時から日比谷野外音楽堂での大集会、14時からは請願デモと国会包囲を同時に実施し、15時半から17時まで国会前大集会を行います。
詳細はウェブページで確認していただけますので、ご参加ください。
また、3月11日を中心にノーニュークスウィーク(NO NUKES WEEK)とし、全国各地で行われるアクションをつなぎます。
全国のアクションを、ウェブにアップしていきますので、こちらもご覧ください。ぜひ、「反原連」で検索してみてください。

2014年1月15日

あなたも虹の戦士になりませんか?

虹の戦士になるのに、特別な資格は要りません。
環境や、周りの人を思って行動する時、人は誰もみな虹の戦士です。
みなさんも今日から、虹の戦士の仲間入りをしませんか?

埼玉在住 2児のパパ
ボスジム ジャパン代表

「家族の身は自分が守る --
それが本能」

 

国際環境NGOサーフライダー・ファウンデーション・ジャパン 事務局長

「未来は自分たちでつくる。それを気づかせてくれた2年でした。」

 

水産加工・流通業「スズ市水産」 
専務取締役

「自分のためではなく、
家族を守りたい」

 

飲食セーフティーネットワーク 代表
イタリア料理店「エリオ・ロカンダ・イタリアーナ」レセプション

「放射能汚染されていない安心な外食を目指して」

 

八王子市民放射能測定室「ハカルワカル広場」ボランティア

「やっぱり家族を守りたい」
 

 

「首都圏反原発連合」 
スタッフ

「普通の人が声をあげることが大切」
 

 
 

photo: © GREENPEACE

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