福島の子どもたちを守るために


© Jeremy Sutton-Hibbert / Greenpeace

放射能には、これ以下なら被曝しても安全という値はありません。
日本では、毎時0.6マイクロシーベルト(3か月の積算線量が1.3ミリシーベルト)を超えるところは「放射線管理区域」として立ち入りを制限し、18歳未満の作業を禁止しています。

しかし文部科学省は2011年4月19日に発表した「福島県内の学校等の校舎・校庭等の利用判断における暫定的考え方について」で、子どもの被ばく限度を年20ミリシーベルトに引き上げ(チェルノブイリでは、年間積算線量5ミリシーベルトで強制移住となりました。)野外で毎時3.8マイクロシーベルト未満なら活動してもさしつかえないとしました。

毎時3.8マイクロシーベルトは「放射線管理区域」の約6倍の深刻な値です。
また、グリーンピースが行った調査では、原発から約60Km離れた福島市や郡山市で「放射線管理区域」の2倍から8倍もの放射線が計測され、公園や通学路など子どもの生活圏のあちらこちらに、毎時数十マイクロシーベルトの「ホットスポット」も見つかっています。


© Jeremy Sutton-Hibbert / Greenpeace

このため、福島の多くの子どもたちは「放射線管理区域」に相当する線量の中で、遊び、学んでいます。

グリーンピースの調査に立ち会ってくださった「子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク」のあるお母さんは、「子どもだけでも避難させたい。
でも、受け入れ先、仕事のことなどを考えると、まだ決断できないのです」と涙ながらに打ち明けてくださいました。

グリーンピースは今、日本政府に以下を求めて活動しています。

  1. 高線量地域に住む妊婦、乳幼児、子どもについて、すみやかな避難の経済的支援、その他の必要な支援を行い、適切な除染を行うこと。
  2. 放射線を浴びるリスクについて、市民に適切な説明をすること。
  3. 人々、とくに子どもの内部・外部被ばく量積算について調べ、その結果を市民に提供すること。

グリーンピースは今後も、現地の放射線調査・食品や海産物の放射線調査を行って、事実を公表し、行政に対策を提案します。
ぜひみなさまのご支援をお願いします。

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  • 放射線と子供の専門家緊急来日(2011年12月) >>
  • 放射線調査について(2011年6月)
  • 保育施設「こどものいえ そらまめ」での放射線調査について
    原発事故後、グリーンピースは合計3回にわたって(2011年5月6日、6月7日、8月6日)福島市にある保育施設「こどものいえ そらまめ」で放射線調査を行ってきました。
    「こどものいえ そらまめ」では、今も先生やお父さん、お母さんが除染作業を続けています。
    この保育施設で働く石山誠先生が、自分たちの除染作業を絵本にしましたのでご覧ください。

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