ツナ⽸メーカー・⼩売の調達⽅針について調査 ー海にも⼈にもやさしいサステナブル・シーフードの普及を⽬指して

出版物 - 2017-07-13
 

2017年に行なった、国内大手の小売業18社とメーカー2社の合計20社を対象としたマグロ類缶詰・パウチ(以下、ツナ缶)の調達方針に関する調査結果をまとめたブリーフィング資料です。

本調査は、メーカーから小売までを含めたツナ缶のサプライチェーン全体に持続可能で社会的責任のある調達を促し、日本国内にサステナブル・シーフードの普及を目指しています。

サプライチェーンが鮮魚に比べて複雑な加工品であるツナ缶は、トレーサビリティが不透明になりやすく、過剰漁業や混獲などによる海の生態系の破壊、違法・無報告・無規制漁業(以下、IUU漁業)や労働者の人権問題に関わってきます。

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<主な調査結果>

●ツナ缶原材料に絶滅危惧II類メバチマグロと、乱獲状態にあるインド洋系群のキハダマグロの使用確認。

メバチマグロはIUCNレッドリストで絶滅危惧II類に指定されていますが、3社(セブン-イレブン・ジャパン、ファミリーマート、ライフ)で使用が確認、乱獲状態にあるインド洋系群の準絶滅危惧種キハダマグロに関しては、8社で使用が確認されました。

 

●今回の調査では、資源と漁法において生態系に最も負荷が少ないツナ缶は、一本釣りでとられたビンナガ(ビンチョウ)マグロ。

2社(はごろもフーズ、ヤオコー)で販売を確認。ビンナガ(ビンチョウ)マグロは準絶滅危惧種に指定されていますが、乱獲状態にはない北太平洋系群で、また、一本釣りの漁法でとられている点から、より海の生態系に負荷がないといえます。

 

●巻き網漁船での人工集魚装置(FADs)の使用を禁止している企業はない

ツナ缶原材料マグロ類の主な漁法は、巻き網でした。巻き網漁でしばしば使われる人工集魚装置(Fish aggregating devices:以下、FADs)は、漁の対象であるマグロ以外にサメ、ウミガメ、未成魚のマグロなどの生きものをとってしまう原因となります。

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