こんにちは。海洋生態系を担当している花岡和佳男です。

子どもや孫の口に入る魚介類の放射能汚染の問題を深刻視する、ママやパパを中心に120名以上が集まる「ママうみ実行委員会」は、2012年9月に立ち上がって以来、セミナーや座談会などの場で意見交換や情報共有を続け、積極的にスーパーマーケットや回転寿司店に調達方針などについて問い合わせをしたり、要請書を提出したりしてきました。

 ママうみ実行委員会メンバーが食品の放射能汚染問題への対策について小売や外食企業各社から得た回答は、10月に比較できる形で、グリーンピースのホームページ上で一覧にまとめられました。この取り組みを知ると多くの企業は、自社の対策や取り組みを公開上で比較されることを避けるように、ママうみ実行委員会メンバーからの面会の申し出を断ったり、メール上での回答を拒否したり、回答を公開することを拒否したりしはじめました。

しかしメンバーの根強い交渉により想いが通じ、回答の公開を許可した小売もあります。放射能汚染や過剰漁業の問題を深刻視し、消費者の声を積極的に受け入れ対策をとられてきていた、「コープとうきょう」です。

■「コープとうきょう」のケース

  1. メンバーがコープ東京に問い合わせをしたところ、「Webでも記載されているとおり第3者への公開は固くお断りする」という旨のメールが届く。
  2. メンバーよりコープとうきょうに「どうしてこのような貴重な情報を公開してはいけないのか教えてください」とのメールを送信。
  3. コープ東京より「答えの内容が公表されてもなんら支障のあるものでない。しかし、質問者個人に対しての答えであり、最近記事を無断で複製して社内外で配布したり、個人からのご質問に対する企業・団体の回答が 無断で転用、二次使用されている残念なケースが後を絶ちませんため第3者への公開を禁止している」との返事また届く。
  4. メンバーよりコープとうきょうに「いま一度、多くの消費者の安全の材料とするためにも市民への公表を前提として質問に答えてください」とのメールを送信。
  5. コープ東京の広報の方より編集・省略等せずに質問項目ごとの全文の公開を条件に掲載許可がおりる。

少しずつですが、多くの消費者の声を受けることで、小売や外食企業は動いていきます。グリーンピースは来年も引き続き、ママうみ実行委員会の活動をサポートしていきます。

消費者にダイレクトに食品を提供する小売や外食企業などは、ぜひ消費者の声に耳を傾け需要に応える対応をしてほしく思います。

 

【メンバーからの活動報告まとめ】

・独自に安全基準を儲けるのかという質問に対しては、ほぼ全ての企業が「国の安全基準=食の安全が確保されているので大丈夫です」という回答で、独自調査を行っている企業が少ない。

・放射能汚染、乱獲、違法漁業などの問題について、政府に対して対策の強化を要請しているところはとぼない。

産地表示に関しては、漁獲地表示しているところもあるが、水揚げ港表示していると回答している企業もある。

・実際に企業からの返答をうけ、問い合わせする以前と比較すると、利用するときの安心度が格段に違うように感じる。また、逆にもし納得できない返答を受けた場合、利用を控える気持ちになる。

・回答の公開がNGだと言われると、企業の印象が悪くなる。

・企業からの回答の状況で、企業姿勢がわかる。

・地元密着型のスーパーの方が、企業努力を行っている印象。

・Big Aに検査結果を公表して欲しいという質問をし、「店頭における検査結果の開示についてのご意見は、社内で協議させて頂きます。今後もお客様からのお問合わせに対し迅速に対応出来るように努めてまいります。」との返事で、印象がいい。

・イトーヨーカドーなどは質問に対して、質問受付日だけをかえた文章をコピペで返答してきて印象が悪い。

・イオンのように質問をしているのにも関わらず、返答が一切ない企業は印象が悪い

 

 2013年、さらに活動を活発化していきます!

みなさんもぜひ、ママうみ実行委員への登録や寄付などの形で、活動に参加して下さい。