あけましておめでとうございます、高田です。
新年早々、今後10年の世界を「変える」明るいニュースです!

有名アパレルメーカーに有害化学物質ゼロを約束してもらうというグリーンピースの「デトックス・キャンペーン」で、またまた成果が出ました。


■ ユニクロとグリーンピースが画期的な合意に!


アジア最大の衣料品ブランドであるユニクロ。
年末年始のセールでお買い物に行った方も多いのでは。

本日(2013年1月9日)グリーンピースとの合意文書をウェブサイト上で発表したのは、そのユニクロで有名な株式会社ファーストリテイリング社

同社のグローバルサプライチェーン(供給網)全体で、すべての有害化学物質の使用・排出を2020年までにゼロにすると発表してくれました!
日本企業として初の発表です。

 ● ファーストリテイリング社の「デトックス宣言」はこちら


ユニクロのコメント:
「ユニクロは、水質保全を地球規模の重要な問題だと認識しており、有害化学物質ゼロをめざすグリーンピースの活動に加わることを誇りに思います」
(ファーストリテイリング社のグループ執行役員で企業の社会的責任(CSR)を担当する新田幸弘氏)


■ 2020年までに有害化学物質の使用全廃を約束

今回グリーンピースがファーストリテイリング社と合意したのは、有害化学物質の全廃に向けたロードマップ。

同社は、グリーンピースに2020年までにすべての有害化学物質の使用を「予防原則」に基づいてやめていくと宣言しました。

「予防原則」に基づくということは、有害性が科学的に100%証明されなくても疑わしければ使用をやめるという原則です。

さらにこの宣言では、2020年に向けて細分化されたステップも合意されています。
例えば、2013年5月末までに、ファーストリテイリング社の中国工場における化学物質の使用状況を情報公開するという内容。

  ● ファーストリテイリング社の「デトックス宣言」はこちら

今回、同社が使用をやめるという化学物質の中には、メーカー側として代替することにかなりの労力とコストがかかる可能性のある物質も含まれていますし、海外(特に中国)の工場における有害化学物質の使用状況をウェブサイトで公開すると約束したわけですから、今回の宣言でファーストリテイリング社は同規模のアパレルメーカーと比べても世界でトップレベルの取り組みを宣言したことになります。



■ グリーンピースもユニクロを評価


グリーンピースとしても現時点で、ファーストリテイリング社が世界のアパレルトップメーカーにおける有害化学物質削減へのリーダーとして評価すると記者発表しました。

 ● グリーンピースの記者発表はこちら

この宣言は、グリーンピースとファーストリテイリング社が2011年よりコミュニケーションを続けてきた結果でした。
(2011年にも同社はグリーンピースのキャンペーンの結果、有害化学物質削減への努力を続けると宣言しましたが、今回の宣言は具体的な期限や数値目標を掲げるという点でさらなる前進です)

「え、ユニクロがグリーンピースと?」と驚かれた方も多いかもしれません。

ファーストリテイリング社もグリーンピースの国際的な活動の意義と、有害化学物質の全廃の必要性をしっかりと理解してくださった結果だと思います。

年末の忙しい時期に丁寧に対応してくださったファーストリテイリング社のみなさん、どうもありがとうございました。



■ アパレルトップメーカーが次々に! デトックス・ファッション=最新トレンド

 


ビデオ: Zaraにデトックス宣言を求める人々。世界の街角から。


中国などのアジア諸国やメキシコなどでは、衣料品を製造するアパレルメーカーが生地の染色加工プロセスで膨大な量の化学物質を使用しています。
その化学物質による河川の汚染も依然として深刻な状況が続いています。

 

写真: 中国の河川と繊維加工工場 (c) Qiu Bo /Greenpeace


これまで、いつどんな化学物質がどこでどれくらい使われているかは、中国などの工場では情報公開が進んでいませんでした。近隣住民は工場でどのような化学物質が使用され、近所の川や水路に排出されているのかを知ることができません。 

すでにグリーンピースと合意を交わしているH&MやZARAsなど世界規模でビジネスを展開する12社のアパレルメーカー、そして今回のユニクロの発表によって、アジアにある工場の情報公開と有害化学物質の使用削減がさらに進むことが予想されます。

「デトックス宣言」済みの企業12社はこちら:
Puma、Nike、adidas、Li-ning、H&M、C&A、M&S、Zara、Mango、Esprit、Levi's、ファーストリテイリング


グリーンピースが、常に業界のトップ企業に働きかけるのは、その市場へと与える影響が非常に大きいという点と、トップ企業にこそ社会的責任をしっかりと果たしてもらいたいからです。

ファーストリテイリング社の今回のリーダーシップは、日本企業による社会的責任のとらえ方として特に先進的な取り組みと言えます。


ユニクロさん、声を聞いてくれて、未来のために変わってくれて、どうもありがとう!



 

ビデオ:
映画「モーターサイクル・ダイアリーズ」で若き日のチェ・ゲバラ役で出演したガエル・ガルシア・ベルナルさんが、グリーンピースのデトックスキャンペーンに参加してくれました!(・・・ちょっとマイクの位置が気になりますね・・・。画面下のメニューから「字幕」を選ぶと日本語字幕が表示されます)


■ みなさんのおかげです

グリーンピースが、こうして独自の科学調査をおこなったり、結果を公表したり、大企業にずばり働きかけたり、そして変化を生み出せるのは、すべてグリーンピースをサポートしてくださる一人ひとりのみなさんのおかげです。

グリーンピースは設立当初から、企業や政府から一切の資金援助を受けていません。
すべてお断りしています。

それは、財政的独立が、効果的でスピーディな変化を政府や企業に促すために不可欠だと信じているから。

グリーンピースは、今後も「デトックス宣言」をした企業の動きを注意深く見守っていきます。
また、海や森や大気や大地が汚れたり壊れたりするのを防ぐべく、地球規模で活動を続けていきます。

グリーンピースでは、いっしょに変化の波を起こしてくれる仲間を募集中
ぜひ、グリーンピースのサポーターになってみませんか。
詳しくはこちら。




■ デトックス・キャンペーンとは:

グリーンピースのデトックス・キャンペーンは、スポーツ・衣料品ブランドに対して、遅くとも2020年までに有害化学物質の使用・排出をゼロにすることを求め、2011年3月にスタートしました。なお12社中、ファーストリテイリングを含む8社が発がん性のあるPFCs(パーフルオロカーボン)を全廃する期日を明言しています。

 ● 詳しくはこちら(英語)

  ● 抜粋情報(日本語、ビデオあり)