こんにちは。海洋生態系担当の花岡和佳男です。

いよいよ今日は、夏の土用の丑の日。
皆さん、ウナギを食べますか?
どのように選びますか?
これまでのウナギブログシリーズで、

を紹介してきました。

古くから暑い時期を乗り切る栄養をつけるためにウナギを食べる習慣のある土用の丑の日は今や、日本の食文化において重要な位置付けにあると同時に、絶滅危惧種を国を挙げて消費する日という悲しい側面を持ち、ウナギと日本の食文化の持続可能性を脅かしています。
皆さん、ウナギも日本の食文化も、私たちで断ってしまわずに、次世代に残していきたいですよね。

そこでシリーズ最終回の今回は、実際にどのようにしてウナギを選べるかについて。
スーパーマーケットなどで売られているウナギは、どこからどのように店舗にやってくるのでしょうか。
通常消費者が魚介類を買う時に、その情報を知る唯一の手がかりはパッケージのラベル。
果たしてそのラベルには、私たちが持続可能なウナギを選択購入できるだけの情報が記載されているのでしょうか。

  1. 輸入 / 国産 スーパーマーケットなどで売られているウナギ商品には原産地が表示されています。
    日本で消費されるウナギ量の約55%は輸入品で、スーパーマーケットなどで見かける商品には多くの場合「中国産」「台湾産」などと表示されています。
    一方で国内の地名が表示されたものは「国産」ウナギとして扱われますが、この地名は単に、ウナギが養殖の過程で一番長い間生息した場所を指すもので、生息地や漁獲地を示すものではありません。
    つまり、海外から稚魚を輸入して国内で最も長い期間育てたら、そのウナギは「国産」として扱われ、国内の養殖池のある地名がパックに記載されます。
    パックに記載されている産地情報からは、絶滅危惧種ウナギや乱獲されているウナギかどうかを知ることはできません。
  2. 養殖 / 天然 日本で消費されているウナギの99%は「養殖」もの。
    なのでパックに「天然」と明記されていない限り、その商品は「養殖」ウナギと思って間違いないでしょう。
    「養殖」は一見乱獲対策として捉えられがちですが、そこには大きな落とし穴が。
    紛らわしいことにウナギにおける「養殖」は、天然の稚魚(シラスウナギ)を自然界から獲りいけすで成長させたものを指すのが現状です(卵から孵す完全養殖はまだ実験段階で、商業ベースになっていません)。
    稚魚の乱獲は、ニホンウナギやヨーロッパウナギが絶滅危惧種になった主因の一つ。
    ウナギの「養殖」は、ウナギが成長し産卵する前の段階で大量に自然界から獲ってしまうため、むしろ資源状態の悪化に大きな直接的影響を与えているのです。
    残念ながら「養殖ウナギなら食べても大丈夫」と言うわけではありません。
  3. ウナギの種類 そもそも食用ウナギには何種類もありますが、スーパーマーケットなどで売られているウナギ商品は全部一緒くたに「ウナギ」として販売されており、消費者は選択購入することができない状態にあります。
    絶滅のおそれが高いとして原産国からの輸出が原則禁止されているヨーロッパウナギも、環境省が今年2月に絶滅危惧種に指定したニホンウナギも、その資源状態はおろか種さえも知らないままに消費してしまっているのです。
    水産庁は今年5月に業界に対してニホンウナギを「ウナギ」ではなく「ニホンウナギ」と表示して販売するよう推奨し始めましたが、未だに国内のスーパーマーケットトップ5(イオン、西友、ダイエー、ユニー、イトーヨーカドー)は対応していません。
    現在の流通システムや水産庁の示すガイドラインでは、持続可能性が確保されたものを選んで買うことは不可能な状態にあります。

では、どのようにして持続可能な魚介類を買う?
世界有数の魚介類消費国である日本において、スーパーマーケットは家庭で消費される魚介類のおよそ70%を販売する、漁業や消費の持続可能性の確保に大きな影響力を持つチャネルです。

政府や国際機関による資源管理が十分に機能していない中、グリーンピースは消費者に魚介類商品を直接提供するスーパーマーケットに対して、豊かな生態系と恵みを次の世代の海と食卓に確実に残すため、絶滅危惧種や乱獲されている種の取扱いを中止し、持続可能性が確保されている魚介類を積極的に取扱う、魚介類の調達方針の策定・実施を求めています。

皆さん、ぜひオンライン署名「一週間、魚食べずに過ごせる?」に参加して、スーパーマーケットに「絶滅危惧種や乱獲された魚の薄利多売は止めてほしい。持続可能に獲られた魚を買いたい」という消費者の声を届けてください。


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グリーンピースではこの他にも、海の環境をまもる活動を行っています。
詳しくは、「海をまもる」のページをご覧ください。 >>