こんにちは。核・エネルギー担当の鈴木かずえです。

 

10月2日(水)、フクロウの会、美浜の会などが呼びかけ、NGO共催(注)で「福島原発の汚染水対策について院内集会・署名提出と政府交渉」を行いました。

省庁との質疑応答は、流出事故の現状認識から、意図的放出についての確認、今後の対策まで多岐に渡りましたが、このブログでは、グリーンピースが注目している次の2点について報告します。

・東電が9月16日に汚染水タンクの堰内のたまり水を雨水として放出したことついて

・今後汚染水処理のために国費が投入されるが、それでも汚染水を止める効果がなかったときの装置などの提供元のメーカー責任について、

 

また、質疑応答に先立ち、NGO共同(注)「福島第一原発汚染水漏洩・流出事故についての緊急国際署名」提出しました。中間集約分国内外約19,000筆を出しました。

国際署名はまだ集めています。引き続きよろしくお願いします。こちらから。

 

東電に、大雨で薄まった汚染水を勝手に“意図的放出”された規制庁

問い:台風時の堰内にたまった水の放出は、誰の権限で行ったか。なぜ流してもよいと判断したか。

答え:東電が事前の了解なしに行った。東電としては、やむを得なかったということだが、やむを得ないというのは受け入れられないと田中委員長が言っているので、今後対策をまとめることになっている。(原子力規制庁:村田真一さん)

雨水で薄まった汚染水を測って、東電の判断で、規制庁に了解も得ずに放出したことが明らかになりました。今後もこのように、なし崩し的に“意図的放出”されないように、規制庁には、しっかり規制してほしいし、市民も監視していかなくてはと思います。

また、“意図的放出”は、「環境に問題のない形で」と規制庁は言っていますが、それがなにを意味するのかについては「検討中なので答えられない」という返事でした。

これに対し、漁師さんが「私たち福島の漁業者にとって、福島第一原発からでた水は全て汚染水なんです。ここをきちんと把握してほしい。魚を釣りたいって若い連中がたくさんいるんです」と訴える場面もありました。

 

汚染水対策に国費470億円投入―効果なくてもメーカー責任はなし

問い:今後、国費470億円が汚染水対策に投入されるというが、汚染水対策に使用される製品は、製造物責任法の対象となるのか。効果がなかった場合のメーカー責任はあるのか。

答え:製造物責任は、消費者保護の観点、消費者庁が担当。これは消費者向けのものではないので、対象外になると思うが、消費者庁に確認を。

ただ、研究開発なので、成果がでなくても、責任問わないことになっている。(資源エネルギー庁竹永祥久さん)

                   (文責:グリーンピース・ジャパン)

470億円もの税金が投入されるのですが、これには効果がなくても、発注先メーカーには責任が問われないことがわかりました。また、東電は、柏崎刈羽原発の再稼働のために3,200億円以上を投入すると報道されています。東電の起こした事故のために国費を投入する前に、まず、再稼働への東電の資金投入を止めさせ、そのお金を汚染水対策に使わせるべきなのではないでしょうか。

 

「再稼働より、汚染水対策を」そう思ったら、ぜひ、「福島第一原発汚染水漏洩・流出事故についての緊急国際署名」にご協力を。こちらから。

 

(注)この集会と省庁交渉および「福島第一原発汚染水漏洩・流出事故についての緊急国際署名」は、以下のNGOの呼びかけで行われました。

 

グリーン・アクション/国際環境NGO FoE Japan/おおい原発止めよう裁判の会/美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会(美浜の会)/原子力規制を監視する市民の会/福島老朽原発を考える会(フクロウの会)/ピースボート/NNAA(No Nukes Asia Actions)/ノーニュークス・アジアフォーラム・ジャパン/国際環境NGOグリーンピース・ジャパン

当日の模様は、こちらのリンク(外部リンクに飛びます)へ

 


 

グリーンピースは「原発にもメーカー責任を」求める署名を実施中。このバナーをクリックして、ご参加・告知ください。