こんにちは。海洋生態系担当の小松原です。

葛西臨海公園のマグロたちが大量死のニュース見ましたか? 水族園によると、69匹いたクロマグロは1月20日には3匹になってしまったそう。ガラーンとした水槽の映像を見ると、なんともいたたまれないキモチになりますね。

この物悲しい水槽ですが、海の中のマグロたちもまさに同じ状態。水槽のマグロたちの死因にはウィルスが関係しているかもしれないと、一部報道されていますが、海からマグロたちがいなくなっているのは、私たち人間が食べ過ぎてしまったからなのです。 

 

例えば、太平洋クロマグロは元の資源量の約4%までに減ってしまっています。分かりやすく「100匹いたのが4匹になってしまった」と考えると、割合としては今回の葛西臨海水族園のマグロの水槽と同じぐらいですね。ちょっと想像してみてください。

 

今日のお題はミナミマグロ(インドまぐろ)

ところでみなさん、ミナミマグロはご存知ですか? インドまぐろ の名前でもお店に並ぶ、クロマグロ(本まぐろ)と同じく美味しいトロで知られるこのサカナ。そうです、絶滅危惧種 なんです。「ごく近い将来における野生での絶滅の危険性が極めて高い」とされ、一番絶滅に近いランク (IA類) に指定されています。

 

 

絶滅と言われてもあまりピンと来ないですか?
そうですよね、スーパーやデパートなどでも見かけますしね。

マグロ買う時に種類なんていちいち気にしていない?
そうですよね、美味しいトロだったら本まぐろでもメバチでもインドマグロでも関係ないですよね。

マグロは食べ物・商品としてしか考えられない、絶滅って言われても.....
では、このミナミマグロとおなじIA類とひとつ下のランク(IB類) に指定されている生きものたちを見てみましょう。

イリオモテヤマネコ(IA類)
タイマイ(IA類)
ラッコ(IB類)

トキ(IB類)

 

どうですか?「どれもすごく数が減っている」「保護の取り組みがされている」など、どこかで聞いたことがあるのではないでしょうか?

 

では、ミナミマグロはどうでしょう?

彼らが絶滅危惧種IA類に指定されたのは、今から20年以上も前の1994年 です。1960年代からの獲り過ぎによって、50年ほどで全体の92%を獲ってしまったとの調査結果も。

ミナミマグロの ほとんどを日本で消費している ことは、もうみなさんお察しのことでしょう。

同年には、ミナミマグロ資源を適切に管理すべく、みなみまぐろ保存委員会 (CCSBT) が設立しましたが、20年以上経った今もミナミマグロはIA類のまま です。

CCSBTによると、「2014年の評価は、SBTの産卵親魚資源量が初期資源量のごく僅かな一部(9%)になっており、最大持続生産を維持できる水準を大きく下回っていることを示している。......(中略)...... 現在のTACは、2011年に採択された、2035年までに暫定的な目標資源量まで70%の確率で再建する管理方式を用いて設定されている。」とあります。

つまり、20年以上もかけて、初期資源量(漁業を開始する前の資源量)の9%までしか回復できていないということです。

ところが、過去数年と比較すると若干の回復傾向にあるということで、漁獲量も増やされています。

年間総漁獲量(TAC)
2012年:10,449トン
2013年:10,949トン
2014年:12,449トン
2015年:14,647トン


多ければ多いほどいいんです。パブコメでミナミマグロを守ろう!

いま水産庁は、2015年(4月1日〜3月31日)のミナミマグロの漁獲量上限 (日本が割り当てられた漁獲量は 4,737トン。2014年は3,403トン) をどうするか、広く一般から意見を聞く 「パブリックコメント」 を募っています。

今日はみなさんにもこの 「パブコメ」 に たくさん 意見を寄せていただきたいと思います。

◆主張のポイント

・IUCNレッドリストの絶滅危惧種IA類に指定されている

・20年以上にわたって漁獲量削減努力をしても9%までしか資源が回復していない

・それにもかかわらず、近年の資源量が増加傾向にあることに甘んじて総漁獲量を増やすのは早計ではないか

・この状態で、2035年までに初期資源量の20%まで回復させることを当面の目標としているのは管理措置として甘いのではないか

・2016年のリオデジャネイロ・オリンピックではMSCやASCなどのエコ認証の取得を強化、サステイナブルな魚介類の提供を宣言している。対する漁業大国の日本は、このままでは2020年東京オリンピックでミナミマグロをはじめとする資源が枯渇した魚介類を振る舞うことになる

・これらを慎重に考えれば、CCSBTで日本に割り当てられた4,737トンを上限にするべきではなく、十分に資源が回復するまで漁獲を控えるべき

・これは、長期的に見れば、一大消費国である日本が他国のお手本となるチャンスでもある

 

 

簡単!いますぐパブコメしてみよう!

やり方はとっても簡単。下のリンクから思ったことを率直に書くだけです。

「絶滅危惧種を食べてるなんて恥ずかしい!」などの、一言でもいいと思います。

住所や氏名などの入力は任意なので、匿名での参加もできますよ。

パブリックコメント:「平成二十七年四月一日から平成二十八年三月三十一日までの間のみなみまぐろの漁獲量の限度の合計の上限を定める件」

ミナミマグロについてもっと知りたい方は、みなみまぐろ保存委員会のサイトなどを覗いてみてください。日本語もあります! ↓

みなみまぐろ保存委員会 (日本語・英語)

締め切りは 2月6日(金) です。私も今からコメントします!ぜひご一緒に!

 

----------------参考にしたサイト----------------
みなみまぐろ保存委員会  最新の資源評価
http://www.ccsbt.org/site/stock_assessment_science.php
葛西臨海水族園
http://www.tokyo-zoo.net/zoo/kasai/
The IUCN Red List of Threatened Species
http://www.iucnredlist.org/
IUCN日本委員会
http://www.iucn.jp/species/redlist/redlistcategory.html
Rio 2016
http://www.rio2016.com/sustentabilidade/en/sustainability/importance-sustainable-supply-chain-rio-2016/