こんにちは。海洋生態系担当の小松原です。

今週の日曜日は母の日ですね。もう素敵なプレゼントは用意しましたか? 私も準備バッチリです! 今日は母の日にちなんで、お母さんマグロについて考えてみたいと思います。

突然ですが、「マタニティマーク」をご存知ですか? 妊産婦さんが付けることで、電車で席を譲るなど、周囲の人が配慮しやすくすることを目的としたマークです。

太平洋クロマグロの保護措置を訴えているグリーンピースですが、産卵期のお母さんマグロたちにもマタニティマークをあげたいって本気で思っている今日この頃です。

だってひどいんですよ! 今分かっているかぎり、太平洋クロマグロの産卵場所は日本の海(日本海と南西諸島沖)だけなんですが、禁漁期間や区域が設けられていないので、産卵のために戻ってきたお母さんマグロたちも一網打尽にされてしまっています。

いつもブログを読んで下さっている方には、耳にタコだと思いますが、太平洋クロマグロは残り4%とも言われるくらい危機的な状況にあります。4%ですよ! できることは何でもやらないと手遅れになるっていうことぐらい、専門家でなくとも分かる数字です。

ではどうしましょう? 自然界に生きているクロマグロたちが増えるには、繁殖して次世代を増やしていただかないといけませんよね。

でも、このように産卵期のマグロをどっさり獲っていたら増えるわけがない! 日本では少子化が心配されていますが、太平洋クロマグロの状況はもっとずーっと過酷です。

ではどうすればいいのか? もちろん、お母さんマグロたちを守る取り決めを行政がつくることが必須です。

ちょっと話が飛ぶんですが、ゴールデンウィーク中に一家が集まってホームパーティーをしたんです。テーブルには手巻き寿司もあって、その中にネギトロ巻きもありました。

 実はわたし、個人的に、資源が回復するまではマグロは食べないと決めているので、基本的にマグロはウチの食卓のメニューからは消えた食材なんですが、何かの事情で登場したんですね。

「えー、どうしてネギトロ?」って文句を言っていたら、「そういうことを言う人がいるから困る」と批判の声が.........楽しい雰囲気を壊しちゃってすみません。

でもですね、ふと疑問に思ったんです。どうしてニュースなどでも度々取り上げられるようになった太平洋クロマグロの状況を知っていながら、「今までと同じように、何も気にせずに買ったり食べたりしているんだろう?」と。

答えは、「誰かがやってくれている」と信じて疑わないからでした。ここで言う「誰か」とはもちろん管理責任のある行政です。誰かがいるから大丈夫と。

それって本当ですか? 減っているのを知っていながら、手をこまねいていた結果が、残り4%ですよ。しかも、誰かに任せっぱなしで自分は知らんぷりって、物凄くカッコ悪いですよね。

なので、私は現状を知った今、行政に動いてもらうために私たちもできることをしましょう!と思うのです。消費者が変われば、市場が変わる。市場が変われば行政も動く!と信じて。

まずは、今度、近所のスーパーやデパートなどで、もしくは外食で本マグロを食べる機会があった時にお店の人に聞いてみてください。産卵期のものを取り扱っていますか?と。

私たち消費者が太平洋クロマグロ(本マグロ)を買う時・食べる時に、それがお母さんマグロだったかどうかなんて見分けられないですから。この状況を知らない担当者も多いんじゃないかしら?

あなたがよく行くスーパーやデパートは、あなたの将来の食卓のことも真剣に考えてくれてますか?