こんにちは、急遽エネルギー担当から「虹の戦士」に転身した高田です。

私はいま、グリーンピースが所有する帆船「虹の戦士号」に乗るために、韓国にきています。
自然と平和を守りたいと行動を続ける沖縄のみなさんの活動に加わるために、「虹の戦士号」は今日、韓国の仁川港を出港し、沖縄に向けて航海をはじめました。

3週間滞在した韓国で「虹の戦士号」は、日本にも程近い釜山にあるコリ原発での原子炉増設の危険性を知ってもらい、計画の撤回を求めて抗議行動を実施。その様子は地元紙の一面で報道されるなど、100以上のメディアが取り上げ、韓国に暮らす多くの人が知るところとなりました。

また、6日間にわたって行われた「虹の戦士号」の一般公開には、ソウル市内から1時間程かかる場所にもかかわらず、のべ3000人の方が、私たちの船に見学に来てくださいました。

ソウルにある事務所は、世界中のグリーンピースの中でも今もっとも急成長を続けている拠点です。

まさに今、環境破壊が起ころうとしている現場に駆けつけ目撃者となる「虹の戦士号」は、専門的な調査やリアルでプロフェッショナルな写真や映像での記録、多言語でのスピーディーな情報発信などを行うための「海に浮かぶグリーンピースのオフィス」です。

2011年に就航した現在の「虹の戦士号Ⅲ」は、この名前を冠された3隻目。
風の力を最大限に生かす高性能の帆船で、補助として環境配慮した電気推進エンジンを利用し排気処理システム搭載、内部は機動的かつ快適に過ごせるよう森林認証FSC木材を多用した机やベッド、超節水型のトイレと徹底したリサイクル、食事はヘルシーでおいしいベジタリアン料理。

その名前にふさわしく、クルーは世界各地から集まったグリーンピースのビジョンをともにする老若男女で、今回の航海の船長は南アフリカ出身の男性、一等航海士はオランダ出身の女性が務めています(「虹の戦士号」について詳しくはこちら:英語) 

ここでの私のミッションは、無事に沖縄に到着できるよう言語面でのクルーのサポート(海上保安庁などとの無線でのやりとりが予想されるため)、日本で沖縄の方達と行動をともにするグリーンピース・ジャパンのチームと「虹の戦士号」側との調整、そして沖縄の状況について事前にクルーにしっかりと知ってもらうことです。

韓国から沖縄までは5日間ほどの航海となる予定。船酔いが心配ですが、一刻も早く「虹の戦士号」が那覇港に到着できるよう、力を合わせていきます。

実は、私が「虹の戦士号」に乗船するのは今回が2回目。前回は、以前の「虹の戦士号Ⅱ」が2005年に辺野古を訪れた時でした。
当時はグリーンピース・ジャパンのボランティアとして、資料を翻訳したり、地元の方との辺野古での活動の準備手伝いをしたりしました。

10年経って、「ジュゴンをまもろう」という同じ活動に、(船自体は新しくなりましたが)同じ「虹の戦士号」で向かうことに感慨を覚えます。

10年前「虹の戦士号」が辺野古沖に到着し、そこからゴムボートを下ろして浜に向かいました。

その時に見た、水面下に広がるエメラルドグリーンの透明な海、底の白い砂まで見通せて、サンゴのテーブルが森のように広がる様子は今でも忘れられません。

そしてその海が、軍事基地建設のために、土砂で埋め立てられコンクリートで固められてしまうことを止めたいと、来る日も来る日も座り込みの抗議行動を続ける地元の方々のことを想うと、自分という人間はひとりの小さな存在だけれど、いったい自分には何ができるだろう、何が貢献できるだろうと考えずにはいられなくなりました。

(C) Greenpeace / Kayo Sawaguchi 

それから10年、辺野古の海は、沖縄を思うみなさんが声を上げ続けたおかげで、いまも、262種の絶滅危惧種を含むたくさんの生き物たちの命あふれる海であり続けています。

でも、昨日10月27日、ついに政府が進める基地建設工事の実行が最終局面を迎えてしまいました。

これから数日の間に、政府は工事を再開すると発表、大量の土砂による辺野古の海の埋め立てなど、知事や住民の反対を押し切って、取り返しのつかない環境破壊が始まろうとしています。

 

グリーンピースは国際環境NGOとして、「虹の戦士号」を現地に派遣し、この環境破壊を食い止め平和をまもろうとする地元の声を国際社会に知らしめることで、工事の開始を少しでも遅らせることを目指します。

工事を強行する政府に比べ、私たちひとり一人の力は小さいかもしれません。
でも、いくつもの小さな声が集まるからこそ、大きな力になります。
「虹の戦士号」はあなたの声を沖縄に届け、それを国際社会に伝えます。

▼ぜひ下の画像をクリックして、メッセージをお寄せください。

 

また、「虹の戦士号」が世界の海を巡って環境破壊の現場を目撃し、解決のために思いを同じくするみなさんと行動し続け、10年後に再び沖縄に戻ってこられるのは、グリーンピースの活動に賛同し、継続的に支援くださる個人寄付者の方々のおかげです。心から感謝を申し上げます。

「虹の戦士号」に代表されるようなグリーンピースの活動は、長期の計画と専門知識・経験を有した世界中の多くのスタッフによって成り立っています。個人のみなさまからの継続的なご寄付がグリーンピースの活動を支えています。どうぞ、継続サポーターとして、グリーンピースの活動にご参加いただけませんか。

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