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こんにちは、Ocean Lovers沖縄チームの石井です。

高江という場所を知っていますか?

沖縄県の北部、東村(ひがしそん)高江。

150人あまりが暮らす、小さな集落です。

子どもたちは自然の中を走り回る。

大人が集まれば笑い声と音楽が自然の中に響く。

村全体が、一つの大きな庭に暮らす家族のようです。

「天国のような場所なんです」

そこに住む人々は言います。

「オスプレイがなければね…」

脅かされる、楽園の暮らし

高江の穏やかな暮らしが、米軍のオスプレイ演習用ヘリパッドの建設計画によって、脅かされています。

この場所で、静かに暮らしたい。その一心で、住民のみなさんは、もう9年間も、たたかい続けています。

はじまりは、20年前の1996年。

日本政府とアメリカ政府の「SACO合意」とよばれる取り決めにより、沖縄北部の大部分を占める「北部訓練場」の約半分が、日本に返還されることになりました。 

でも、返還する代わりに、条件が突きつけられました。それが、高江の集落を囲むように、ヘリパッドを新たに建設することでした。

「SACO合意」の大義名分は、「県民の負担軽減・基地の縮小整理」。でも、返還の条件として、高江周辺に新たなヘリパッドを6カ所建設するということは、米軍が、基地の機能を拡大すること、しかも日本政府の負担(税金)で実現することを意味しました。

まさに青天の霹靂のような一方的な決定に、住民は説明と話し合いを求めました。でも、沖縄防衛局は説明不十分なまま、聞く耳すら持たず、強引に計画は進みました。

住民の権利を完全に無視した計画に反対し、工事が始まる前日から、住民のみなさんは座り込みをはじめました。 

当初、着工から2カ月ほどですべてのヘリパッドは完成する、米軍は見込んでいました。座り込み始めた日から9年間。毎日、抗議、監視、阻止活動が続いています。「力は力を生むだけ」と非暴力に徹して。

それでも、静かだった高江の暮らしは、変わっていきました。

非暴力の反対活動を抑えつけるために大勢の機動隊がやってきて、工事車両が通り、豊かな森が切り開かれ、2つのオスプレイパッドが建設され、オスプレイが高江の空を飛び回るようになりました。

住民の人々は、それでも湧き上がる苛立ちと怒りを抑え、ときに無力感に心を打ち砕かれながらも、手を取り合って、声を上げ続けてきました。

切り裂かれる森と人々の思い

 

7月の参議院選挙の後からは、工事が再開し、急ピッチですすめられています。車両侵入路の建設のために、1日に100メートルの勢いで、森が切り開かれています。

150人ばかりの小さな集落に、東京や大阪など県外からも機動隊が動員され、500人もの機動隊が、住民の声を力でねじ伏せています。

どうして、こんなことが起きているのに、知ることができないのでしょう。どうして、「日本は平和」と思い込まされているのでしょう。

高江の人々が、毎日、ただ穏やかな暮らしを求めて、たたかっているというのに。 

「この自然を守らないといけないんだよ」 

高江での暮らしについて話してくれる住民のみなさんのことばには、高江への愛が溢れています。 

夕方になるとあたりを埋め尽くすホタルのこと。

雨に濡れた緑のこと。

ヤンバルクイナの鳴き声のこと。

子どもたちが飛び込む沢のこと。

夜の晩酌には、自然の音楽だけで十分なこと。

  

「この自然を守らないといけないんだよ」

ずっとたたかい続けている、一人の住民の方が、小さな声でおっしゃいました。

高江の景色

私たちが高江を訪れてから、もう何週間も経とうとしていますが、すぐ思い出せる景色があります。

それは、切り開かれた森でも、突き立てられてフェンスでもなくて、出会ったみなさんの笑顔や、駆け回る子どもたちの声や、蛍の光や、緑の匂いや、朝焼けの色なのです。

高江にヘリパッドはいらない。

ただそれだけ。 

高江という場所に、少し思いを馳せてくれませんか。

そして、高江という場所で起きていることを、一人でも多くの方へ伝えてくれませんか。

高江の自然を、暮らしを、あなたも一緒に守ってくれませんか。 

「命の楽園をまもって」いますぐ署名で伝える >

参考資料

映画『標的の村』

http://www.hyoteki.com/

ヘリパッドいらない高江住民の会「voice of takae」

http://nohelipadtakae.org/files/VOT-jp2015June28.pdf

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