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南極といえばペンギンですが、実はすべてのペンギンが、南極の厳しい環境に順応する術を兼ね備えているわけではありません。南極に暮らしているペンギンたちは、ものすごく特別なんです。天候が悪くなったら飛んで避難する…なんて贅沢なことは、ペンギンたちにはできません。

今日は世界ペンギンデー。ペンギンたちを讃えて、ペンギンの中のペンギン、5種の南極のペンギンたちをご紹介しましょう。

かわいすぎるので、心の準備を!(そしてぜひ、ペンギンたちのサンクチュアリを南極につくるムーブメントに参加してください!) 

5. ジェンツーペンギン

ジェンツーペンギン @南極 2018年1月17日

ジェンツーペンギンは、両目をつないで頭の上をぐるっと囲う、おしゃれな白の三角模様で見分けることができます。氷のない場所を好むので、南極半島の海岸や少し離れた島々に限られて生息します。

ジェンツーは突き出た筆の先端のような尾を持ち、頭を後ろに反らせてかん高いトランペットの様な鳴き声を出します。この鳴き声は、75cmという彼らの大きさから想像できないほど大きいんです。

いかにも勇敢そうな小さなジェンツーペンギンは、エビに似たプランクトン・オキアミを探し集めるために1日に何百回も海に飛び込みます。彼らは水中で一番速く泳げるペンギンと言われていて、時速36kmに達します。

4. マカロニ

マカロニペンギン @マックアリーアイランド、1990年2月1日

 

パスタの種類ではありません!これはペンギンの種類、よく知られるイワトビペンギンのいとこなんです。一雌一雄のマカロニペンギンは、マカロニ属の中で一番南に生息しているものです。南極海より遠くへ遠征することはあまりないようで、南極半島、そしてその近くの島々に巣を作ります。モップの先のような頭飾りをつけてプランクトンをむしゃむしゃ食べながら歩き回る金髪の彼らは、かの国の大統領よりもっと政治家らしく見えるかも…

3. アゴヒモペンギン

南極のアゴヒモペンギン  2018年1月17日

 

アゴヒモペンギンは「ヘルメット被ってるよね?」とつっこまざるを得ない様相です。強くマジメに見えますが、実際、彼らの厳しい運命は笑いごとじゃないんです。

毎年同じパートナーと、同じ繁殖地へ帰っていきます。ヒナたちの安全を確保するために、危険の及びにくい岩場の多い島々を棲みかにします。しかしエサを求めて危険な岩の断崖や南極海の嵐をくぐり抜ける必要があるので、ヒナにとっての安全な棲みかは、親にとってはかなり高くつくのです。ヘルメット着用は悪いアイデアではないと思うんだけれど、キミたち! 

2. 皇帝ペンギン

皇帝ぺンギン @南極 1989年1月1日

 

あと一歩で1位を逃したけれど2位にランクインしたのは、すべてのペンギンのお父さん的存在、かの有名な皇帝ペンギンです。生存するペンギンの中で一番大きな体を持ち、1.3メートルにも及び、体重は40kg、12歳の子どもと同じくらいです。体が大きいだけじゃなくて最も深く潜れることもできて、魚やイカを捕まえるために極寒の南極の海を少なくとも深さ550mまで潜ります。

近年、科学者は皇帝ペンギンが特に水中の生活に適していることを発見しました。水中の泡を体にまとうことで、オリンピックの水泳選手のようにダイナミックに泳ぐことができるんです。皇帝ペンギンはかなりハードコアです。南極大陸の厳しい冬を生き残るだけじゃなくて、冬の最中に繁殖し、ふわふわのヒナ達を育てているのです。

お母さんペンギンが餌をとりに行っている間、お父さんペンギンたちは身を寄せ合って「ハドル」と呼ばれるもの凄く大きい集団をつくり、身を寄せて暖め合って卵やヒナを守ります。彼らは間違いなく、もっとも南極らしいペンギンで、そしておそらく「最高のお父さん賞」を受賞できるでしょう。

けれど、あと”ひとくちばし”差で、1位を逃してしまいました。ザンネン、皇帝ペンギン! 

1. アデリーペンギン

アデリーペンギン @南極のコロニーにて 2018年1月17日

 

満を持して、南極のロックスター・ペンギンの登場です。かわいくて抱きしめたくなる、それでいて最高にイカしたアデリーペンギン。70cm以上には育たず、陸を歩くときはよちよちでなんか変に見えるけれど、水に入ってプランクトンを捕まえさせたら右に出るものなし、さながら魚雷のようです。

彼らは笑っちゃうぐらい可愛いらしくて、おそらくすべてのペンギンの中で最もペンギンらしいペンギンです。でもその抱きしめたくなるような可愛さの裏には、”南極の専門家”としての顔があります。南極大陸の海岸沿いすべての地域で見ることができますが、南極以外にはすんでいません。冬は、南極の海に出て過ごします。

彼らはとても強いので、岩を利用して巣を作るんです!パートナーと仲良くなるために愛情の印として小石をあげたり、お隣さんが脇見をしているうちにこっそり持ってきちゃったり、熱い情熱のやりとりに小石を交換したりと、岩や小石はお金のようにアデリーペンギンの社会を機能させています。

アデリーペンギンの子どもたちは、ふわふわのグレーの毛で覆われています。

勇敢な皇帝ペンギンが氷の大陸の不屈の王なのだとしたら、ペンギンとしての完璧さとエンターテイメント性、そして小石を利用する技術で、私たちをして「可愛すぎてずるい!」と身悶えさせるアデリーペンギンは、南極大陸一番優秀なペンギンと言っていいでしょう。

ウイリー・マッケンジー :グリーンピースUKの海洋キャンペーナー 

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