こんにちは。海洋生態系担当の小松原です。

先週の土曜日、福島県いわき市にある水族館、アクアマリンふくしまにお邪魔して、第9回めひかりサミットの講演を聞いてきました。

 

いまグリーンピースのオーシャンチームは、東京がオリンピックを迎える2020年までにサステナブル・シーフードのスタンダードを確立しようと奮闘しています。 

2016年のリオデジャネイロ五輪は、選手村などで提供するシーフードは持続可能なものに限ると宣言しています。

ところが、日本ではマグロやウナギをはじめとして、みなさんがよく口にする多くのお魚が物凄い勢いで減っていて、何もしなければいなくなってしまう=食べられなくなってしまうかもしれない状態なので、持続可能なシーフードだけを提供するのは正直難しそうです。

 

和食を世界遺産に掲げる日本なのに、このままでいいのかしら? 

 

スーパーに行けば、ズラーッとパックに入ったお魚たちが売られています。事実、日本で食卓にのぼるお魚の7割はスーパーマーケットで売られているので、「魚がいなくなっちゃう!」ことが実感できないというのが本音でしょうか。

もちろん、この問題は売る側であるスーパーをはじめとする市場や、漁業を持続可能なものにできる行政の力がなくては解決できません。

ですが、実際に食しているのは私たちなので、「私には関係ないもん」という今の状態も問題だと感じています。

事あるごとに「太平洋クロマグロもニホンウナギも絶滅危惧種」と声を大にしてお伝えしている私たちですが、そもそも「興味がない」人にどうやったらうまく伝わるのか、まるで長い片想いをしているような気持ちです。。。。

 

 今回のめひかりサミットのお題は、「よみがえれ、私たちの海 〜漁場から食卓まで〜」ということで、持続可能な水産資源の活用についてゲストスピーカーによる講演がありました。

お目当ての横浜国立大学大学院の松田先生による東京五輪に向けてのお話や、「ウエカツ」こと上田勝彦さんの魚食のお話から、なにかヒントが得られればと思っての参加でした。 

 講演はほんとうに面白くて方々で笑いがおこっていました。ほんとうにそうだなぁと思ったことが2つ。 

 

1)特定のサカナにばかり集中している負荷を分散

いつもなんのサカナを食べていますか?日本で獲れる食用の魚は400種もあるそうです。わたしも含めですが、きっと多くの人が普段決まったお魚しか口にしていないんじゃないでしょうか。いま資源の枯渇が心配されている魚やもう既に絶滅しそうなマグロやウナギなどもみんなの「食べたい!」が集中した結果。「我慢する」って考えると抵抗があるかもしれませんが、物は考えよう。美味しい魚との出会いを求めて、未知なる魚を色々チャレンジするのも一策かもしれません。

 

2)いいとこ取りしちゃいましょ

もうお魚の獲りすぎの問題に気づいてどうにかしようとしている人たちがいます。漁師さんも、行政の人も、一般の人も。それぞれの立場から違う方法で。足を引っ張り合うのでなく、偏見や先入観を捨てて、良いことはドンドン取り入れていきたいですね。ベストな方法は一つではないし、何が正しいのかなんて実際のところやってみるまで誰にもわからないですから。


余談ですが、講演の中で環境NGOの話やグリーンピースの名前が出てきたりして、「ふふふ、ここに来てますよー」って心の中で呟きながら聞いていました。私もやりがちですが、先入観や偏見って本当にムダ。講演後、個別にお話をさせていただいて、何が正しいのか自分で考えて判断できるように勉強してお脳ミソを鍛えなければと思った有意義な1日でした。