2016/12/07 グリーンピース声明:優先されるべきは住民の権利ーー高江ヘリパッド工事差し止め仮処分、住民の申し立て却下を受けて

プレスリリース - 2016-12-07
那覇地裁は6日、沖縄県東村高江の住民が国を相手にヘリパッド工事の差し止めを求めた仮処分申し立てについて、却下する決定を出しました。それを受けて、国際環境NGOグリーンピース・ジャパンは本日7日、下記の抗議声明を発表しました。

グリーンピース・ジャパン事務局長 米田祐子

「人権と環境を脅かす不当な決定に抗議します。優先されるべきは、住民が安心して健康で暮らせるための基本的な権利です。周辺住民の声を無視した、形ばかりの『基地負担軽減』ではありません。

那覇地裁は『住民に重大な健康被害が及ぶおそれがあると十分に証明されていない』としましたが、高江区周辺にはすでにヘリパッドが2カ所建設され、オスプレイの訓練による騒音被害が拡大しています。沖縄防衛局の測定データからも騒音被害が悪化していることは明らかです。司法には日本政府への追従ではなく、周辺住民の権利を尊重する判断が求められていました。

高江区は1999年と2006年の2回にわたってヘリパッド建設反対決議を上げ、2007年からは直接的な意思表示として住民による座り込みが続いています。今回の裁判では騒音が争点でしたが、ヘリパッド建設によって失われるものは騒音による被害だけではありません。高江の集落が位置するやんばるの森は、ヤンバルクイナをはじめ琉球列島固有種が生息する生物多様性の保全の上で重要な地域です。日米両政府は、ヘリパッド建設に反対する住民の声を受け止め、かけがえのないやんばるの森を次世代に残すため、ヘリパッド建設を中止すべきです」

※沖縄防衛局の測定データによると、東村高江の米軍北部訓練場内にあるヘリパッド周辺(牛道)で、2016年6月の夜間の騒音発生回数が383回で、2014年度の月平均16.2回と比較して約24倍に上ることが分かっています。

グリーンピースは、辺野古新基地建設及び高江ヘリパッド建設の中止を求めて『命の楽園をまもって Voices from Eden』オンライン署名を9月21日から実施しています。署名の提出先は日本政府と国際機関を予定しています。

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国際環境NGOグリーンピース・ジャパン

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