2018/10/30 コカ・コーラ、ネスレ、ダノン、マース、ペプシコ、ユニリーバ、 新プラスチック共同宣言に署名するものの、未だプラスチックの削減を優先せず

プレスリリース - 2018-10-30
【インドネシア・バリ島、10月29日(現地時間)】国際環境NGOグリーンピース・インターナショナル(本部)は、英国のエレン・マッカーサー財団が発表した「新プラスチック経済グローバル共同宣言」(注1)を慎重ながらも歓迎するとともに、その柔軟性が高過ぎる点について、問題を指摘しました。

250以上の宣言参加団体には、コカ・コーラ、ダノン、マース、ペプシコ、ユニリーバも含まれ、プラスチック汚染に取り組むことを誓約しました。しかし、『ブレイクフリープラスチック』運動(注2)の構成団体であるグリーンピースは、これらの企業に対し、プラスチックの削減に焦点を当てた具体的な行動を求めています。

今回のエレン・マッカーサー財団の発表を受けて、グリーンピース・東南アジアのプロジェクト・リーダー、アフマド・アショフは、次の通り述べました。

「エレン・マッカーサー財団の共同宣言の内容は正しい方向に進んでいますが、問題点は、プラスチックのリデュースとリユースよりも、リサイクルを優先してもいい柔軟性を企業に与えていることです。 企業は、次々と生産している使い捨てプラスチックの総量を減らすための、具体的な目標を設定することは求められていません。 そのため、共同宣言に署名した後も、通常どおりそのままビジネスを続けることができるのです。

グリーンピースが先週発表した調査レポート『コンビニエンス・クライシス』(注3)によると、世界最大の日用消費財メーカー11社の現在の計画では、使い捨てプラスチックの使用を増加することができ、明確な廃止または削減目標を設定した企業は皆無であることが分かりました。

今の状況が続けば、世界のプラスチック生産量は今後20年で倍増し、2050年には4倍になると見込まれます(注4)。企業が野心的で拘束力のある削減目標に責任を負わなければ、問題の根源を解決することはできず、エレン・マッカーサー財団の共同宣言のような取り組みは、あまり変化をもたらさないでしょう」

グリーンピースは、ネスレ、ユニリーバ、コカ・コーラ、ペプシコなどの企業に、真のリーダーシップを発揮し、以下の全ての行動を起こすよう求めています。

・使い捨てプラスチックを削減するための野心的で責任ある目標を設定する
・過剰で問題のあるプラスチック包装を廃止するために直ちに行動する
・リユースおよび新たな商品販売方法への投資を優先する
・透明性を確保し、プラスチック・フットプリントを毎年報告する

注1)”DRAWING A LINE IN THE SAND”
注2)『ブレイクフリープラスチック』は、プラスチック汚染のない未来を目指す世界的な動きです。 2016年9月の発足以来、世界各地から約1,300のグループが加わり、使い捨てプラスチックの大幅な削減と、プラスチック汚染の危機に対する永続的な解決を推進しています。 参加グループは、環境保護と社会正義といった目標を共有しており、コミュニティレベルでの活動を導き、グローバルで統一されたビジョンを表しています。
注3)「コンビニエンス・クライシス:プラスチック汚染のパンデミックの背後にある企業」
注4)”The New Plastics Economy Rethinking the future of plastics”