「脱原発世界会議 2012 YOKOHAMA」レポート

記事 - 2012-01-25
2012年1月14日~15日に開催された「脱原発世界会議 2012 YOKOHAMA」のご報告です。

2012年1月14日~15日、パシフィコ横浜で「脱原発世界会議 2012 YOKOHAMA」が開催されました。

「未来をつくる、世界とつくる」をテーマに、世界の中で考え、原子力に別れを告げ、自然エネルギーを中心とする新しい社会をつくりだすため、国境や世代をこえて、集い、学び、一歩を踏み出す事を目的に、開催された今回の会議の参加者は、海外約30カ国からの約100名を含め、2日間でのべ11,500人に上りました。

グリーンピース・ジャパンは実行委員会の一員として、この会議の企画、運営に携わり、トークセッション参加や、ブースでみなさまにお会いすることが出来ました。

ご来場いただいたみなさま、会場ボランティアをして下さったみなさま、ご寄付で支えて下さったみなさま、誠にありがとうございました。

脱原発世界会議は、閉会式で「原発のない世界のための横浜宣言」を採択して終了しました。

この宣言では、8つのことを実施していくことを呼びかけています。

  1. 東京電力福島第一原発の事故で被害をうけた人々の権利を守ること。
  2. 日本政府および東京電力は完全に情報公開し、説明責任を含むあらゆる責任を果たすこと。
  3. 人体、食料、水、土壌および空間における継続的かつ包括的な放射線測定とデータ収集を行い、住民の放射線被ばくを最小化するための緊急かつ必要な措置を公衆に知らせること。
  4. ウラン採掘から廃棄物に至る核燃料の連鎖から段階的に脱却し、原発を廃炉にしていくための世界的な工程表をつくること。
  5. 現在稼働が停止されている日本の原発を再稼働すべきではないこと。
  6. アジア、中東、アフリカ、ヨーロッパなどの途上国に対して原発やその部品を輸出することを禁止すること。
  7. 原子力に頼らない社会をつくるために重要な役割を果たしている地方自治体を支援すること。
  8. 2012年3月11日に世界中で行動、デモ、セミナー、メディアイベントなどを行い、福島の人々が置れている状況に抗議し、原発のない世界を呼びかけること

横浜宣言PDFはこちら >>

【みんなの意見、どんどん伝えよう! アクション】

会期中グリーンピースのブースでは、「みんなの意見、どんどん伝えよう! アクション」と題して、200名の方が脱原発アクションにご参加くださいました。
ご参加いただいたみなさま、ありがとうございました。

そして当日お越しになれなかったみなさま、今からでも遅くはありません。
いますぐ、下記のアクションンに1つでも結構ですからご参加ください。

原発を廃止して、自然エネルギーでこれからの日本をつくるために

  1. 原発は再稼働しないでねTwitter!
  2. 再稼働反対や、原発はいらないなど、みなさんの気持ちを経済産業省や保安院宛にツイートしてください。

    経産省
    @meti_nippon

    保安院Twitter
    @nisa_rinji_hp

    ツィート文例
    原発の再稼働は絶対に反対です。
    保安院のストレステスト評価は審査の基準もなく、委員長は原発業界からお金を受け取っています!! 意見聴取会の評価案には疑問

    福島の事故原因はなんですか? 政府は原発業界からお金をもらって原発再開することが福島の人たちの生活再建より大事なんですか?

    原発業界に買収されたストレステストを凍結してください。 保安院の評価案は疑惑モノ。原発の再稼働は絶対反対です!

  3. 地元の国会議員にTELして聞いてみよう!
  4. 自分たちの地元の国会議員に直接電話をして、有権者として原発への考え方を聞いてみましょう。

    ステップ1: 自治体名を検索し、自分がどの選挙区の有権者かチェックします。
    チェックはこちらのページで >>

    ステップ2: 「衆議員小選挙区と参議員選挙区から検索」で都道府県を選んで、検索ボタンを押します。
    検索はこちらのページで >>

    ステップ3: 自分の選挙区の議員名をクリックすると、真ん中付近に地元事務所の電話番号が出て来ます。
    自分の選挙区の議員に電話して直接聞いてみましょう!

  5. テレビや新聞社に意見を伝えよう!
  6. メディアの報道も視聴者の意見を聞いてくれます。
    「もっと原発問題を報道して」など、意見を伝えましょう。
    各社の連絡先はこちらのPDFで >>

  7. 政府に意見を伝えよう!
  8. 政府は原発事故を受けて、いまのエネルギー基本計画を白紙から見直し、平成24年夏を目途に新しいエネルギー基本計画の検討を行っています。

    経済産業省では、新しいエネルギー基本計画に向けた意見を幅広く募集しています。

    原発ではなく自然エネルギーを採用するよう、意見を書いて送ってください。
    経済産業省の意見募集ページはこちらです >>

【山本太郎の直接行動ワークショップ -ドイツの経験を伝授したる!】

ドイツではじめての直接行動を体験してきた山本太郎さんとグリーンピースのコラボ企画

音楽フェスのような座り込みのレポートから「直接行動は哲学」というディープな話まで、非暴力直接行動のホントの姿を探る熱気と笑いにつつまれたワークショップになりました。
笑い満載のワークショップの様子は、ビデオでご覧ください。


※ビデオは「IWJ中継市民チャンネル」のコンテンツにリンクしています。

【東電福島第一原発事故-被害の実態と被ばく最小化への提言】

ファシリテーター
鈴木かずえ 国際環境NGO グリーンピース・ジャパン 核・エネルギー担当(日本)

スピーカー
満田夏花 国際環境NGO FoE Japan理事(日本)
阪上武 福島老朽原発を考える会(フクロウの会)代表(日本)
中手聖一 子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク 代表(日本)
小池光一 福島市大波地区(日本)
アンドレアス・ニデッカー 核戦争防止国際医師会議、放射線学者(スイス)

参加者:600人

このセッションの目的は3つ:

  1. 福島原発事故による放射能汚染の実態を知っていただくこと
  2. 政府の対策の問題点を明らかにすること
  3. 被ばくを少しでも少なくするために、何ができるのか、避難する権利はどうすれば確立させていけるのかを議論し、実現へとつなげていくこと

まず、3.11以降、被ばくの最少化のために奔走されている国際環境NGO FoE Japanの満田夏花(みつたかんな)さんより、日本政府の年20ミリシーベルトという基準のために、福島市では毎時3マイクロシーベルトを超えるような高線量の地域で、避難が実現していない現実が報告されました。

そして、20年以上も福島原発の問題に取り組んできた福島老朽原発を考える会の阪上武さんから、10人の子どものうち、9人はセシウムの値が下がったが、下がらなかった1人は避難していない子どもだった…という市民による福島の子どもたちの尿検査の結果が報告されました。

続いて、福島から、子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク代表の中手聖一さんより、福島では政府による「100ミリシーベルト以下は問題ない」という安全デマが流されていて、保護者たちが混乱、母子疎開や離婚の悲劇といった状況が報告されました。

最後に福島市大波地区で有機農業を続けてきた小池光一さんが、美しい大波のスライドを映しながら、丹精込めて作りあげてきた畑を奪われた想い、除染をしても大差ない放射能汚染について話してくださいました。

会場からは、原子力産業(ジェネラル・エレクトリック/GE)を法的手段に訴えて、放射能汚染被害の賠償金に充てる、また、避難の権利の確立のために法律を作るべきでは、という提案がなされました。

また、福島から参加の椎名千恵子さんが「川田龍平参議院議員が『子どもと妊婦を守る法案』を準備されている」と発言されました。

今後、このような提案をどのように実現させるかが、私たちの課題です。

このような会議が実現したのも、みなさまのご支援とご寄付のおかげです。
みなさまのご支援とご寄付にお礼申し上げますと共に、今後も脱原発に向けて活動を続けれられるよう、みなさまのご寄付を頂ければ幸いです。

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