ママうみ座談会 第7回 家族や子どもたちのために、私たちが動いた理由

記事 - 2012-12-06
第7回 「お気に入りのスーパーは、とことん応援したい!」
 

参加者プロフィール

上條祐美さん
神奈川県在住 2児のママ
ママうみ実行委員ママ代表

私たち大人は原発を受け入れてきた責任があり、親として何もしないわけにはいかず、今後も子孫に負の遺産を残していくのだから、せめて遺伝子を残す世代には可能な限り安全な食べものを食べてほしいという思いでいっぱいです。

田島剛さん
埼玉県在住 2児のパパ
ママうみ実行委員パパ代表
ボスジム ジャパン 代表

食べる物には限りなく放射性物質が含まれていない方が良い。本来これがどの親も考える当たり前の事だと思います。
子どもを守れるのは親しかいません。親がハッキリと声を上げ、子どもたちの希望ある未来を守らなければならないと私は思います。

新井忍さん
埼玉県在住 3児のママ
内部被ばくを考える市民研究会・事務局
アロマアドバイザー・サプリメントアドバイザー

健康関連に携わっていたため、原発事故の危険性はすぐに察知しました。
一時避難、給食拒否など、子どもを守ることをしていたが、メルトダウンの発覚を機に、自分の子どもだけを守っている場合じゃないと動き出しました。

崎田美奈子さん
埼玉県在住 2児のママ
5年後10年後子どもたちが健やかに育つ会・越谷で事務局長

事故後、あまり危機感を持っていなかったが、友人の影響を受けて考えるようになりました。
家族で釣りをするので、今後の海への放射能汚染の広がりに関心を寄せています。

宮地大祐
東京都在住
グリーンピース・ジャパン
ボランティア・ロジスティクス担当

グリーンピースが世界中から有志を募って核実験場に船を出して反対活動を行っていることを知り、その行動力と使命感に共感。2007年よりグリーンピース・ジャパンにて活動を開始。
福島での放射能調査に携わると同時に、ママうみ実行委員会を立ち上げ、アドバイザー的存在としてメンバーと一緒に活動をしている。

 
 

 

9月に実施したママうみ座談会第1部では、ママやパパが立ち上がったきっかけや、自分たちの活動を広める方法、そして実際にスーパーや回転寿司店に問い合わせるなど、具体的な活動をしてきました。

これからはじまる第2部では、スーパーに問い合わせした際の対応などを中心に、またメンバーがイオンへ送った問い合わせメールの結果報告もかね、そして今後のグリーンピースの活動についてお伝えします。

第1部でナビゲーターを務めた海洋生態系を担当している花岡和佳男に代わり、ママうみ実行委員会を立ち上げ、メンバーからの活動報告を取りまとめている宮地大祐がお届けします。

ママうみ座談会 第7回
「お気に入りのスーパーは、とことん応援したい!」

2012年12月6日

宮地:  ママうみ実行委員会がスタートして2カ月が経過しましたが、みなさんはスーパーからの回答や実際に問い合わせをしてみてどうでしたか?

崎田さん:  回答を公表する旨を添えてメールすると、向こうの対応がそっけなかった。

上條さん:  そうそう、公表を前提に問い合わせすると、向こうが警戒している気がしたかな。

宮地:  公表しないでくださいとする回答は、ほかのメンバーからも報告がたくさんありました。

上條さん:  やっぱり。ほとんどのメンバーの方がそうなんですね。

宮地:  はい。あと、何度も問い合わせをしているのに返事がないとか。大きなスーパーになればなるほど返事が遅かったり、なかったりと。

崎田さん:  地域密着型のスーパーほど詳しく答えてくれている気がする。

田島さん:  僕はスーパーにはあまり行かないですが、給食に関しては結構質問しました。

新井さん:  私も、スーパーよりも製造元に問い合わせてみました。

宮地:  反応はどうでした?

新井さん:  印象としては、問い合わせに慣れているところと、そうではないところがあります。でも、放射能に関する危機感がないって感じでした。

崎田さん:  分かることだけ、答える企業も多いかな。

新井さん:  あと、問い合わせの数が多すぎるから対応が遅くなるのかな?

崎田さん:  産地と流通経路を明確にするトレーサビリティに関しては、各社ともにあまり答えてくれません。

対応は、学校も自治体も企業も同じ

田島さん:  スーパーマーケットの対応もそうですが、学校の対応もどうかと思いますよ。

宮地:  お子さんの保育園や、学校に質問してみられたんですよね。対応はどうでした?

田島さん:  保育園の芋ほり行事について聞いてみたら、園長先生も他の職員も、土壌汚染と空間線量の区別がついていなくて、空間線量を調べて安全だと言っていましたし。

上條さん:  わかります。その区別は自治体もついていないところが多いですからね。

田島さん:  そこで獲れた芋を子どもたちが食べるから心配だったんですけど、保育園側は放射能の危険性を伝えないようにしているみたいに思えます。

上條さん:  これまでの原子力村の影響でしょうね。

田島さん:  煽るなって雰囲気が最初から出来上がっていますね。

宮地:  学校も自治体も企業も、消費者が納得するような対応が必要ですよね。対応がいいと本当に応援したくなりますよ。

上条さん:  そうですよね。藤沢のOKストアは、思っていた以上に表示が素晴らしいですよ。

宮地:  OKストアの対応や姿勢がいいのは、各方面から聞きますね。

上條さん:  たとえばマグロの詰め合わせも産地表示がちゃんとされていました。お客さまの声で問い合わせが多かったので、西日本が産地の商品を入荷するようになったことも経緯がちゃんと書かれていました。そういうのっていいですよね。応援したくなります。

生産者には安全な魚を届ける責任がある

田島さん:  グリーンピースの千葉の漁師さんのインタビューを見ましたが、獲れた魚を放射能検査したら、高くても2.5ベクレルしか検出されていませんでしたね。売られているお魚も本当の測定値を表示してほしいって思います。

宮地:  千倉の水産加工会社の方は、生産者には安全な魚を届ける責任がある、とおっしゃっていました。販売者にも販売する側の責任がありますよね。それぞれに責任があり、その責任を果たしていくべきですね。問い合わせをしても返事がない会社もあるのはどうかと思います。

崎田さん:  イオンなんかは放射能ゼロ目標宣言してるのに、もったいない。

宮地:  ママうみ実行委員のメンバーにアンケートをとった結果多かった回答は、安心感が増せば買い物するし、逆なら買い物を控えるというのが、目立ちましたね。

新井さん:  結局、人と人の話だと思います。消費者の思いを受け入れる体制のある企業はいいですよね。例えば近所の喫茶店の方なんかは、「どうすれば安心してもらえるか」と聞いて下さるんですよ。

上條さん:  よくある企業からの回答で「お気持ちはわかります」と言うのがあるんですけど、そう言う方ほど、わかってない気がします。だから「気持ちを分かってくれて、それでその声を上に上げてくれるんですか?」と聞いたりしてます。

宮地:  水産メーカーの方が言ってましたが、一人の声の後ろには100人の声があるとその企業は認識しているそうです。

新井さん:  そうなんですよ。問い合わせを受けて、その人が次に行動をおこしたと思うとすごくうれしいです。

上條さん:  うんうん。そういう企業を応援したいと思いますね。

企業も自治体もわかりやすく公表を

田島さん:  自分は行政と接することが多いのですが、PTA会長として給食のことを問い合わせると、一父兄として聞くより効果があって、給食説明会の時に放射能の話をしてもらえるようになりました。検査体制のことも話してくれるようになったし。食材や検出限界値も紙で見られるようにしてくれました。

新井さん:  うちも自分の子どもが通っている埼玉の小学校は、毎日知らせてくれますね。

上條さん、崎田さん:  さいたま市早いね!

上條さん:  でも、企業も行政もせっかく検査をしているんだから、分かりやすく公表してほしいです。インターネットを見ているお母さんたちってそんなに多くないので、検査結果を売り場で表示してくれないと、分からないから買わないってなっちゃうんですよ。せっかく検査してるのにもったいない。

宮地:  消費者一人一人が行政やスーパーに声を伝えていくのが必要だと思います。

次回は第2回目のママうみ座談会でメンバーがイオンへ送った問い合わせメールの結果報告をしてもらいます。

これまでにメンバーが問い合わせた企業の回答はこちら >>

(ママうみ座談会は、毎週木曜更新です。 )

photo: © GREENPEACE/Kazuya Hokari
撮影協力:クレヨンハウス 表参道店

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