イオン
総括:
総合順位:1位
総合ポイント:59ポイント(100ポイント中)
国内最大のスーパーマーケットであるイオンが最上位となり、他の企業に比べ安全性及び持続可能性への意識が高いことが示された。
ただし、業界最大手のイオンですら総ポイントは100ポイント中59ポイントにとどまっており、業界全体が魚介類の安全性や持続可能性の確立へ向けた活動をいかに緊急に強化する必要性があるかが浮き彫りとなった。
放射能汚染問題に関しては、イオンは対象企業中で唯一、グリーンピースとの対話を通じて消費者の声に応え「放射能ゼロ目標宣言」をしており、高く評価できる。
- トレーサビリティーについて:
項目別順位/ポイント:1位/53ポイント(100ポイント中)
魚介類商品の仕入れ段階で数々の確認はしており、トレーサビリティーの確立に取り組んでいるものの、商品の原料となる魚介類を獲る漁船まで仕入れ段階で特定することは困難。
また対象スーパー全社に共通することだが、かまぼこや缶詰などの一部加工品に関しては、トレーサビリティーの確立自体が困難なものがある。
- 消費者への情報公開について:
項目別順位/ポイント:1位/40ポイント(100ポイント中)
店頭やホームページなどで、多くの商品情報を消費者に提供している。
ただし漁法、漁具、流通経路などについては、消費者が選択購入できるだけの十分な情報が公開されていない。
- 調達を避けるべき魚介類について:
項目別順位/ポイント:1位/65ポイント(100ポイント中)
仕入れ段階で数々の確認は行ってはいるものの、「獲りすぎ」の状態にある魚介類を全国規模で販売している。
- 積極的に調達すべき魚介類について:
項目別順位/ポイント:1位/57ポイント(100ポイント中)
違法に獲られたり、違法な流通が認められたものや、国の基準に基づき資源状態に問題があると認められたものを仕入れない方針がある一方で、予防原則に基づいた調達の実施ついては情報不足もあり対策を打てておらず、課題となっている。
- 調達方針について:
項目別順位/ポイント:1位/40ポイント(100ポイント中)
他企業に先駆けて持続可能性について取り組んでいる。
持続可能性が担保された魚介類を優先的に仕入れると公言しており、一部の商品の取り扱いを通じて社員への研修や監査体制がある。
今後はトレース可能な商品の割合を増やし、持続可能性が確保されていない種の取扱いを見合わせる方針の策定が求められる。
- 放射能汚染問題について
項目別順位/ポイント:1位/100ポイント(100ポイント中)
イオンはグリーンピースとの対話を通じ消費者の声に応え、2011年末に食品の「放射能ゼロ目標宣言」をし、それ以来、検査体制の強化に取り組んでいる。この動きは業界を牽引しており、高く評価できる。
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