投資家に警鐘:石炭火力への投資を続ける日本の金融機関による気候リスク | 国際環境NGOグリーンピース

投資家に警鐘:石炭火力への投資を続ける日本の金融機関による気候リスク

出版物 - 2018-04-25
グリーンピース、投資家向けブリーフィング・ペーパー『潮流に逆境する日本の銀行:石炭投資と気候変動』を発表

概要:
日本の「メガバンク」すなわち三菱UFJフィナンシャル・グループ、みずほフィナンシャルグループ、三井住友フィナンシャルグループの石炭火力発電所への融資額は、世界的に見ても軒並み上位を占めており、投資家を気候変動リスクにさらす結果となっている。これらの3行はポートフォリオの脱炭素化計画をまだまったく発表していない。本レポートは、投資家が、石炭火力発電所を支持することによって起こるブランディングリスク、経営リスクを考慮することを提案する。石炭火力発電所への支持はパリ協定がめざすゴール達成を阻むものである。

本レポートは 石炭関連の気候変動リスクに対する石炭に対するエクスポージャー*を示す3つの指標を分析する:

  • 石炭火力発電企業上位30社へのファイナンス
  • 石炭火力発電開発企業上位120社へのファイナンス
  • 日本国内の「高リスク」石炭火力発電所へのファイナンス

*投資家や企業が持つ金融資産(ポートフォリオ)の中で、市場の価格変動のリスクにさらされている資産の度合い(割合)のこと

要旨:

  • ヨーロッパの金融機関が石炭関連資産を減らしている一方、日本の金融機関は遅れをとっており、世界的に見て石炭への最大の融資機関の一つとなっている
  • 国内で 日本の「高リスク」な13基の石炭火力プロジェクトを進めている日本企業の社債を引き受けているのは日本の金融機関であり、総額300億ドルにのぼる
  • 電力会社における資産のアンバンドリング(分離明確化)と透明性の欠如が、現在アセスメント段階にある「高リスク」石炭火力プロジェクトの経営リスクへとつながっている
  • 石炭への投資は、規制、環境、金融、ブランディングリスクにさらされる。

投資家が日本の金融機関に問いただすべき点:

  • 気候変動リスク全般、およびとりわけ化石燃料関連のリスクに対するエクスポージャーを評価するために、具体的にどのような措置を取ってきたか。
  • TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)の提言に沿った気候変動リスクの開示をいつ行うのか。
  • 競合他社の国際的なベストプラクティスに劣らない、石炭からの段階的撤退政策をいつ発表するのか。
  • パリ協定の目標に合致する全社的な未来志向の戦略をいつ発表するのか。
  • 自行の石炭関連投資から、世界的に見て(ブランドリスクや法的リスクを含む)どのようなリスクが生じると思うか。そのようなリスクにどのように対処するつもりか。
  • 気候変動対策立法に関して業界団体に進歩的立場をとるよう促すために、気候変動に関する政治的立場を明らかにするか。
  • 日本の電力会社において電源別の投資額が不透明であることを前提として、日本国内の新規石炭火力発電所の座礁資産リスクに対するエクスポージャーをどのように計算するか。

ブリーフィング・ペーパー『潮流に逆境する日本の銀行:石炭投資と気候変動』は、日本の金融機関への投資家向けに作成され、2018年4月に公表された。

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