アラスカ国際捕鯨委員会 実況生ブログ11
南極の調査捕鯨について中止を求める決議が40対2で採択
日本は、毎年南極のクジラ保護区で、絶滅危惧種のナガスクジラを含む1000頭近いクジラを「調査」という名目で捕獲しています。
もちろん、日本は「これは国際捕鯨取締条約に例外として認められている権利だ」といいます。そしてその通り条約には「例外」として調査であれば良いと書いてあります。
ただ、この調査が本当に調査なのかということに多くの国が意義を唱えているのです。
・毎年捕獲数を増やしている。
・捕獲したクジラは、洋上の船で市場に流されるように箱詰めされ、冷凍までされる。
・絶滅危惧種まで捕獲している。
(市場に販売されるために、箱詰め、冷凍された調査捕鯨からの鯨肉)
この決議はオーストラリア、アルゼンチン、オーストリア、ブラジル、チリ、チェコ、エクアドル、フランス、ドイツ、ハンガリー、イタリア、ルクセンブルグ、モナコ、メキシコ、オランダ、ペルー、ポルトガル、南アフリカ、イギリス、アメリカによって共同で提案され、結果として南極の調査捕鯨について中止を求める決議が40賛成票と2の反対票で採択されました。
日本と日本に賛成するアフリカやカリブの国がこの採決に参加しませんでした。
この採択、おそらく日本では、「日本は、この採択がIWCのさらなる分裂を促すとして参加しないことを決めました」というような報道されるでしょう。確かにそのように日本政府は言いましたが、これは日本はIWCのさらなる分裂を促すからではなくて、差がついた票についてその差を明らかにしたくなかったということが現実でしょう。
さて、この決議には何が書かれているかというと。
南極海はクジラ保護区であることIWCは何度も締約国に南極保護区で捕獲を伴う調査を行わないように伝えていること。昨年にこの調査捕鯨の評価が日本で行われたが、18年間の調査でも結局一つの目的も完全に満たすことができなかったこと。2シーズン前からミンククジラの捕獲数を倍にするだけでなく、ナガスクジラとザトウクジラも捕獲することになったナガスクジラが絶滅危惧種であり、ザトウクジラも系統群によってはかなり減っている系統のクジラを捕獲してしまう可能性があること。
そもそもこの調査捕鯨が決定的な必要性をそもそも示せていない。
その上で、日本は調査捕鯨を中止すべき。
ということです…。
ただ、これは決議であるため拘束力を持ちません。よって、日本政府は、このまま「調査」と偽り、まだ捕鯨を続けるでしょう。
この18年間で7000頭のクジラを獲って、目的が達成できなかった調査が、まだ続けられるというのは、ちょっと普通では考えられませんが、IWCでは考えられるし、日本でも受け入れられるようです。