アラスカ国際捕鯨委員会 グリーンピース声明



さて、ちょっとブログに掲載するには堅い内容ですが、下にあるような声明文も会議中に現地で発表しました。


グリーンピース 
「原住民生存捕鯨」に関する日本政府の考え方についての声明

 グリーンピースは、日本政府が2007年5月30日のIWC(国際捕鯨委員会)総会に提出した議案「沿岸小型捕鯨の捕獲枠」は、次の点で甚だしい二重基準を露呈していると考えます。

 この議案は、「小規模沿岸捕鯨」という新しい商業捕鯨の枠組みを、すでに確立された「原住民生存捕鯨」(IWCの用語)と同列に扱うことで、日本政府による“調査捕鯨”の拡大解釈に加えて、国際捕鯨取締条約にもう一つの抜け穴をつくろうとするものです。しかし「原住民生存捕鯨」は、近現代において世界各地の先住民族が舐(な)めた差別と迫害の辛酸への反省にもとづく枠組みであり、議案が挙げる日本の四地域(網走・鮎川・和田・太地)で20世紀初頭以来行なわれてきたノルウェー方式の近代捕鯨を「原住民生存捕鯨」になぞらえ、捕獲枠を獲得しようとすることは著しい認識不足か意図的な偽装でしかありません。

 このような議案を国際会議の場で提出する前に、日本政府はまず国内における先住民族の存在と、その先住権を公式に認めるべきです。国連機関の度重なる勧告にもかかわらず、日本政府はいまなお国内に先住民族が存在することを認めようとしません。アイヌ民族はいわゆる寄り鯨(海岸に乗り上げて死んだクジラ)の利用さえ禁じられ、地域の河川からサケを獲って生存と文化継承のためのニーズを満たすことも厳しく規制されています。

 IWCに参加している水産庁の担当者は、グリーンピース・ジャパン事務局長であり作家・翻訳家として先住民文化に造詣の深い星川淳の質問に対し、多くの国連機関や国際法で定義する先住民が日本国内に存在するかどうかにも答えることができませんでした。日本政府は、国内の先住民集団の法的・政治的位置づけを明確にすることを避け続けてきたのです。

 グリーンピースは原住民生存捕鯨にも鯨肉食自体にも反対しません。しかし、他の形態の商業的な捕鯨を原住民生存捕鯨に見せかけることは、国内外の先住民族を傷つけるものであり、国際捕鯨取締条約の精神を踏みにじるものと考えます。