ALOHA。
海洋生態系問題担当の花岡です。WCPFC(中西部太平洋まぐろ類委員会)第7回年次会合への参加のため、ハワイ・ホノルルに来ています。



世界で消費されるマグロ類の半分以上は太平洋で漁獲されています。この会議は、ワシントン条約による禁輸条件に近づくほど過剰に漁獲されている中西部太平洋のメバチマグロ、これまで豊富とされていながら今年はじめて資源量の減少が報告されたカツオ、今年から国際的注目が集まりだした太平洋クロマグロなどの漁業を管理する国際機関の年次会合です。



WCPFCが舵取りを誤れば、マグロのすしや刺身はもちろん、日本食に欠かせないかつお節も将来入手不可能になってしまいます。あまり知られていませんが、世界で漁獲されるマグロ類の25%を消費する日本(人口は世界のわずか2%弱)に住む私たち消費者一人ひとりにとって、とても繋がりの深い大切な会議なのです。



今回グリーンピース代表団は、会議の開催国であり主要漁業国であるアメリカ、主要漁業国であり主要消費国でもある日本、主要漁業国であり自国の違法漁業を取り締まれない台湾、漁場に囲まれている島嶼国、ニュージーランド、そしてグリーンピース本部のアムステルダムの事務所でそれぞれ活動する海洋生態系問題の担当者により構成されています。



今回のブログは、ここ数日間で行った私たちのアクティビティーを紹介します。



 WCPFC開幕3日前、私たちがまず訪れたのはノースショアで開催されていたサーフィン大会O’Neil Triple Crown World Championshipです。女性チャンピオン(Tyler Wright・16歳・オーストラリア)、男性チャンピオン(Raoni Montiero・19歳・ブラジル)そしてこの大会に世界から集った沢山のサーファーから、過剰漁業をはじめとする環境破壊から太平洋を守りたいという強い想いが、私たちの元に届けられました。



その翌日には、多くの観光客が集まるワイキキビーチで、マグロを守る私たちの署名に参加。最初のわずか2時間で500人の署名が集まりました。日本人観光客はもちろん、マグロが食文化に深く根付くローカルの方も、私たちと活動を共にしました。







開幕前日はWCPFCの成功を願い、ワイキキのランドマークであるアロハタワーに巨大バナーを掲げ、太平洋のマグロとその回復のために残された時間があとわずかしかないことをアピールしました。ヘリコプターからの空撮写真が、グリーンピース・アメリカの同僚のコメントと共に、WCPFC開幕日の新聞朝刊の一面を飾りました。その新聞はWCPFC加盟国政府代表団が多く宿泊するホテルで全室に配付され、開幕前から話題となっていました。



開幕初日は、会議参加者に配布したグリーンピース特製うちわが大好評。①公海ポケットでの海洋保護区の設立、②FAD(人口集魚装置)の使用禁止、そして③漁獲規模の削減という、グリーンピースが掲げるWCPFCへの3つの要求が記されてあります。みんな屋外ではパタパタ。そして会議場内ではじっくりと読んでいました。



私がこれまで経験した国際会議では、議論が白熱するのは2日目から。初日は会場では諸国代表がステートメントを発表したり、廊下やレセプションでは互いのポジションを探りあったり、協力する部分は進行の最終確認を行ったりします。この会議も同様で、いよいよ2日目から本格的な論議が始まりそうです。