シェルが2013年中の北極圏開発をあきらめた

 

先週2月27日、英・オランダ系石油大手ロイヤル・ダッチ・シェル社(以下、シェル)が2013年の北極圏での石油採掘を断念すると発表した。これで、シェルは北極圏開発を2012年、2013年と2年続けて延期せざるを得なかったことになる。

グリーンピースは、北極を「保護区」として守りたいというキャンペーンを世界中で展開しているが、その活動の成果が着実に出てきている。

 

危険な北極圏の開発

シェルをはじめとする大手石油メジャーは、気候変動の影響で夏場に氷が急激に減少する北極圏で、石油の採掘を開始しようとしていた。 

北極圏での石油採掘はリスクが大きく、もしメキシコ湾の事故のような原油の流出事故が起これば、厳しい環境下での復旧作業はほぼ不可能となり、生態系への影響は甚大と予測される。同じく石油メジャーである仏トタル社のクリストフ・ドマージュリー最高経営責任者も北極海の石油採掘には手を出すべきではないと発言している。

実際、シェルは事故を立て続けに起こした。昨年夏には、北極海でシェルの掘削船がアリューシャン列島にむけて流されたり、年末には掘削装置の「クルーク」が曳航途中にアラスカ沖の無人島に座礁したりした。いずれも、大惨事につながりかねない事故だ。

 

 (写真は、座礁するシェルの掘削装置クルーク)

 

グリーンピースの「北極を保護区に」キャンペーンは続く

グリーンピースの「北極を保護区に」とのキャンペーンには、著名人を含めて世界中から280万人近くが参加している。

今後、グリーンピースは、これらの世界中から集まった署名と、子どもたちがデザインする北極保護区の旗を北極点に運び、北極が一部の大企業の利益のためにあるものではないことを宣言する予定だ。

世界中の大企業がその開発を血眼になって狙っている北極海。これを保護区として守ることができるか否か、私たちが試されている壮大な試練であるように思える。

1980年代、南極において世界各国が参加する資源闘争が勃発しそうだった。その時、グリーンピースは「南極をワールドパーク(保護区)に」をメッセージとして、独自に南極基地を設置したり、世界中で多くの人の協力を呼びかけるなどのキャンペーンを実施した。

当初、まったく実現不可能だと言われたが、このキャンペーンによって世論が高まり、1991年に南極条約議定書が結ばれ、南極大陸における資源開発を禁止することに成功した。世界中の人々の願いが伝わって、南極の自然環境は守られているのだ。

あれから20年以上が経過しているが、ぜひ北極でも保護区を実現したい。

「北極を保護区に」キャンペーンへの参加は以下のリンクから。 ぜひ皆さんもご参加を。

  

『北極を保護区に』キャンペーンについてもっと知りたい方は、過去のブログをお読みください。

「北極を保護区に」壮大なキャンペーンがはじまる  (2012年6月22日)

抗議活動はご自由に - オランダで驚きの判決  (2012年10月16日)