これから3月末にかけて、政府閣僚の「再稼働が必要だ」の大合唱がはじまるだろう。


3月5日、保安院が福井に

明日、3月5日、原子力安全・保安院の黒木慎一審議官(渉外担当、実用発電用原子炉担当)が福井県議会に来る。

これは、以前から話にあったことだ。

県議会の田中議長は2月21日の時点で、2月24日午後に保安院を県議会に呼ぼうと提案していた。この時は、「再稼働の議論は時期尚早」との反対意見が多かったためいったん引っ込めた。

しかし、県議会の最大会派である自民党県政会が議長に再提案し、議長も「再稼働の議論とは切り離す」として、県議会は一般傍聴を許可しない全員協議会という場を設けて保安院から説明を明日受けることになった

保安院も、この日の開催に必至だっただろう。

なぜなら、3月中に再稼働への道を切り開いておきたければ、スケジュール的にこの日が最後のチャンスだからだ。

東京では原子力安全委員会審議が5日と7日に


大飯原発のストレステスト審査は、現在、原子力安全委員会の判断を待っている状況。

その原子力安全委員会では、2月21日、2月29日とすでに2回の検討会が開催されており、今後は第3回が3月5日、第4回が3月7日の開催となることが議事録に掲載されている。(3月5日の開催案内が安全委員会のHPでは発見できなかった)

原子力安全委員会が保安院の審査結果について第4回までに判断しようとしていれば、保安院が県議会の前に説明するのはこのタイミングしかない。

また、福井県議会は6日から委員会審議が始まる。十分な委員会審議の前に保安院が説明したというアリバイのためには明日しかないのだ。


3月11日以降、閣僚による「再稼働」大合唱がはじまる

東日本大震災から1年の3月11日。

政府は、その節目の日を境に、再稼働へと一気に走り出す用意をしているはずだ。

首相をはじめとする閣僚らの「再稼働は必須」の大合唱がはじまるだろう。

しかし、斑目安全委員長の「1次評価だけでは安全性の確認が不十分」発言や、福井県からの強い政府への不信感が地元への説得に入る時期を見極めなければいけないという雰囲気を作っている。

そこで、「再稼働は必要」という大合唱をはじめ、世論が「再稼働賛成」に傾くかを見極めて3月中に福井県に入るだろう。保安院のやり方を見ていても、すでに裏舞台ではかなり入念に手をまわしていることもわかる。

未曾有の災害を起こして1年。

「原発が再稼働をはじめるか、否か」は日本のエネルギー政策だけではなく、世界のエネルギー政策を左右する。

それぐらいの判断がこの1か月以内に行われるかもしれないという認識で脱原発を唱える人たちは力を集中しよう。

「事故原因も満足に判明していない中の再稼働は時期尚早」という当たり前の雰囲気をしっかりと作り上げ、「エネルギー政策を原発ゼロから検討しなおす」という攻めに切り替えるのだ。

再稼働が決まってしまってから、「再稼働反対」をあわてて訴えるのでは遅すぎる。

 

グリーンピースは引き続き、福井の拠点(福井アクションセンター)から最新情報を発信していく。

 

このブログは、事務局長の佐藤潤一が書いています。

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