事務局長就任から今月で6カ月になります。2月9日、グリーンピース・ジャパンが日頃からお世話になっているNGO、企業、メデイア、政府の関係者をお招きし、東京・表参道で事務局長就任パーティを開きました。幅広い分野から約50名の方々にご出席いただき、親交を深めることができ、改めてこうした絆の大切さを強く感じています。新しい事務局長として、個人的にご挨拶し、グリーンピースのスタッフ、活動をご紹介し、今後の抱負について皆様に共有する貴重な機会となりました。

 

 

 

参加してくださった方の中には、環境や反原発運動に関わる市民団体や活動家、ジャーナリスト、弁護士、議員秘書、環境、開発や人権分野の国際NGOのほか、環境に対する配慮を求め対話を続けている小売業や製造業の方もいらっしゃいました。グリーンピースは環境保護活動を行なっていく上で、様々な立場の個人や組織の方達と協力関係あるいは緊張関係にあります。接点となる関心事項によって意見や立場は分かれても、信頼関係があってこそ、互いに対話を通して認識を共有し最善策を模索することができます。特定の課題についての話し合いという場を離れて、まずお互いを個人的によく知って、団体としての立ち位置や方向性を深く理解するのは、とても有意義なことだと思います。

 

 

 

グリーンピースに求められていること

参加者の方々からは、キャンペーン団体として、市民社会の一員として、または交渉相手として、グリーンピースらしさを保ちながら、より開かれた団体であってほしいという期待をいただきました。国際NGOの参加者の方からは、NGOのコミュニティに積極的に関与してほしいとメッセージをいただきました。CSR雑誌の方からは、「グリーンピースはなぜ嫌われるのか」という問題提起があり、グリーンピースのブランドについてコメントをいただきました。メデイアの方からは、グリーンピースの職員2名が多額の税金が投入されてきた調査捕鯨での不正を告発したにもかかわらず、逆に逮捕されてしまった事件の報道の際に感じられた、社会の圧力とご自身の心の葛藤をお話しになり、ジャーナリストとしてご自身の信念を貫かれる強い決意を共有されました。

 

また、企業からの参加者の方の中では、グリーンピースからの批判が会社の経営を改善していく良い契機になったという声も聞かれました。でも『お手柔らかに』とのご要望も。他を知ることは自分を知ること。それぞれ異なる立場や視点から、グリーンピースの持つ様々な『顔』を鏡のように映し出していただいた思いです。

 

変化するグリーンピース

これまで、グリーンピースは欧米の団体と見られ、強い信条を持っていてもそれは独善的だ、あるいは一方的な価値観の押し付けだと違和感や反発を覚える方もいらっしゃると思います。きっと、荒々しい海で捕鯨船を追跡する、行動力はあっても一匹狼的な白人男性のイメージを思い浮かべる方もいらっしゃることでしょう。

 

でも、時代の変遷や社会の変化に伴い、グリーンピースも基軸を保ちつつ柔軟に適応し変化を続けています。グリーンピースは欧米で生まれましたが、今や日本を含む世界55カ国・地域で活動するグローバルな団体です。それに伴い、組織も積極的に多様性を取り入れてきました。当初は白人男性が本部事務局長のポストを占めてきましたが、近年では、外部から抜擢された南アフリカ出身のクミ・ナイドゥ前事務局長に続き、ジェニファー・モーガンとバニー・マクダーミッドという二人の女性が昨年、共同の事務局長に就任しました。共通のグローバルな目標を目指しながら、各国の状況に応じてそれぞれ自主的に行動が起こせる仕組みが作られています。また、各国や地域でも外部から採用された現地出身の事務局長の比率が増えています。

 

 

 

よりオープンな団体に

グリーンピースは、今後も、強い信念と情熱をエネルギーに、個人の寄付と支援で成り立つ独立した市民団体として、権力を恐れず、政府や企業に環境保護と社会に責任ある行動を求めていきます。Positive Thinking, Through Action (前向きに考え、まずは行動!)」をモットーに、環境破壊の現場からの事実をお伝えしダイナミックなアクションを起こしていきたいと思います。

 

しかし、より複合的で、社会構造に深く根ざしている今日の環境問題は、グリーンピースだけでは解決できません。グリーンピース中心のキャンペーンから脱却し、志を同じくする他団体とパートナーとして協力し、より広く様々な方からの共感と参加を得られるようなキャンペーンを心がけています。

 

 

天然で最も硬い石であるダイヤモンドは、ダイヤモンドによってのみ磨くことができ、激しい圧力や摩擦によってより輝きを増すそうです。人も、周りの人達と真剣に接しぶつかる中で強くなり磨かれていくのでしょう。真っ暗な地中でキラキラ輝く結晶のように、グリーンピースも多くの出会いや様々な交流を通して、これからも、より磨きをかけ成長を続けていきたいと思います。

グリーンピースは、政府や企業からお金をもらっていません。独立した立場だからこそできる活動で、私たちの知らないところで進む環境破壊や生態系への影響を明らかにしています。寄付という形でも一緒にグリーンピースを応援していただけませんか?

寄付する 


あなたにオススメ!

プラスチックから海を守るためのたった5つのシンプルな方法

年間800万トンのプラスチックが、世界の海に流れ出ている  

「ネオニコを減らし、国産有機を増やす」イオンに声が届いた! 

子どもをまもりたい 3.11原発事故被害者の人権をまもる国際署名

 放射線管理区域で暮らせますか?

グリーンピース・ジャパン

ライターについて

グリーンピース・ジャパン
グリーンピースは、環境保護と平和を願う市民の立場で活動する国際環境NGOです。世界中の300万人以上の人々からの寄付に支えられ、企業や政府、一般の人々により良い代替策を求める活動を行っています。ぜひ私たちと一緒に、行動してください。

Comments

あなたの返答を残す