SPEEDI検証シリーズ (0)

 

10月28日、グリーンピースは文部科学省に対して、関西電力の大飯原子力発電所が万が一事故を起こした際の周辺地域への被害予測が行われているかを問うため、緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI:スピーディ)による放射性物質の拡散予測の存在を確認する情報公開請求を行った

また、11月9日には、それ以外の日本にある原発全てにおけるSPEEDIデータの情報公開請求も行っている。

来週の月曜日が、大飯原発に関する情報公開請求の開示決定期限だが、これに先立ち文科省防災環境対策室の担当者が連絡をしてきた。

本日、全データ(数値とマップ)をウェブサイトに公開したというのだ。

(たとえば、こちらが浜岡原発のもの)

 

これまで福島原発事故の後のSPEEDIデータだけが注目されてきたが、それ以外の原発でも広く避難訓練などでSPEEDIが使われていたことが判明した。.

しかし、これまでそのデータは再稼働などの議論に利用されていなかったことになる。

ウェブに公開したという姿勢は歓迎するが、グリーンピースの情報公開を受けてのウェブ掲載というのでは遅すぎる。

そもそも再稼働の議論がここまで進んだ中、SPEEDIデータを広く公表し、そのデータに基づき万が一事故があったときに影響をうける自治体はすべて再稼働の議論に参加してもらう必要があるのではないか。

先ほどウェブにアップされたようだが、グリーンピースは、今回公表されたSPEEDIデータがどのような事故シュミレーションに基づいているかについて検討しその評価を近日中に発表したい。

 

参考: グリーンピースは、昨年からSPEEDIをリスクコミュニケーションに使うべきと考え、全自治体での利用とデータの住民への公開を求めてきました。SPEEDI検証シリーズ 、ぜひご覧ください。

(0)グリーンピースの要請受けて、全原発SPEEDIデータ 文科省がウェブに公開 (2011年11月25日)

(1)「SPEEDI」をリスクコミュニケーションに使う (2011年11月30日)

(2)SPEEDIの過小評価と滋賀県の独自シミュレーション (2011年12月9日)

(3)初公開! 玄海原発事故SPEEDI、1時間で有明海・佐賀市・福岡市汚染の可能性 (2011年12月22日)

(4)京都府がSPEEDIデータを活用へ 大きな一歩 (2012年2月3日)

(5)大阪、滋賀は今こそSPEEDIを使え (2012年3月17日)

(6)大飯原発でも隠されるSPEEDIデータ (2012年3月27日)

(7)高浜原発事故で、京都が放射能汚染地域に?! (2012年4月3日)

(8) 3か月も隠ぺいされ続ける大飯原発SPEEDIデータ (2012年5月18日)

(9)初公開、大飯原発事故で、京都観光地も汚染の可能性 (2012年5月25日)

(10) 大飯原発:福井県が黒く塗りつぶした放射性物質拡散予測図 (2012年6月19日)

 

 

このブログは、事務局長の佐藤潤一が書いています。

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