こんにちは。核・エネルギー担当の鈴木かずえです。

7月26日、「原子力規制委員会」の人事案が国会に提示されました。

5人の委員から成るこの委員会、原子力規制行政を一手に取り仕切る強力な権限をもつことになっています。

でも、5人の候補のうち、少なくとも3人は委員として相応しいとは言えません。

 


 

委員長候補の田中俊一氏は低線量被ばく軽視で不適格

委員長候補の田中俊一氏は「100ミリシーベルト以下なら健康への影響は大きくない」との立場(2011年9月15日/日経ビジネス)。

6月に成立した子ども・被災者支援法では、「放射線が人の健康に及ぼす危険について科学的に十分に解明されていない」としています。
田中氏の立場と相いれず、安全側に立った規制行政を行えるか疑問です。

さらに同氏は、日本原子力研究所の副理事長、日本原子力研究開発機構の特別顧問、高度情報科学技術研究機構(旧(財)原子力データセンター)の会長を歴任し、一貫して原子力推進の立場で活動してきました。

原子力委員会委員時、原子力業者との秘密会議に参加していました(国会で服部良一社民党議員が確認)。

 

委員候補の更田豊志氏は原子力事業者当事者で不適格

委員候補の更田豊志氏は現在、日本原子力研究開発機構(高速増殖炉もんじゅの事業者)の副部門長であり、「脱原発弁護団全国連絡会」の指摘とおり、法に定める欠格要因に該当します。

 

委員候補中村佳代子氏も原子力事業者当事者で不適格

委員候補中村佳代子氏は現在、日本アイソトープ協会(原子力に係る貯蔵・廃棄の事業者)に所属し、更田氏と同様、欠格要件に該当します。
また、「低線量被ばくでは、子どもと大人で発がんリスクには差がない」と発言しています。

 



グリーンピース・ジャパンは、自民党、公明党、民主党党首あてに要請書を送りました。

来週、人事案が本会議へ――今が正念場

もともと「原子力規制委員会」を作るのは、国の規制庁と推進庁をきちんと分けるのが目的。
それなのに、委員長はじめ、候補者たちに原子力を推進してきた方々がいます。

ドイツの原子力安全委員会の委員には、推進の方もいるかわりに、はっきり原発反対の方もいます。原子力安全委員会委員長も務めたミヒャエル・ザイラーさんは、原発から脱し自然エネルギーを進めるエコ研究所の所長。

来週の衆議院本会議にはかられるとのことです。国会同意人事です。過半数の国会議員が反対すれば、通りません。

民主党からは、「鳩山グループ」、「事故収束PT」、(超党派ですが)「原発ゼロの会」から反対の声が聞こえています。ところが、自民党や公明党からは、声が聞こえてきませんね。地元議員に電話を。ぜひ、是非を問い、そして反対を呼びかけてください。

地元議員は「Yahoo!みんなの政治」で調べることができます。




ご参考
国会議員有志から「原子力規制委員会人事案を白紙撤回を!国会議員有志による声明」が呼びかけられています。

 


 

「地元議員への電話かけ」初めての方へ

地元議員にとって、あなたは大切な「自分の選挙区の有権者」です。

ほとんどの議員事務所が選挙区の有権者であることを名のれば、丁寧に応対してくれます。

以下のポイントを参考にしてください。

  • 伝えたいことを紙に書いておく。または書いてある紙を手元に置いておく。
  • 相手が出たら、まず、「○○市の○○です」と名のる(もし、自分が投票した議員なら、それも伝える)
  • 議員さんに伝えてほしいことがあり電話した旨を丁寧に伝える
  • 伝えたいことを、話す
  • 聞いてくれたことに対して、礼を述べる

最後に、議員に伝えた結果を聞きたいので、また電話する旨伝えて、フォローアップの電話をすることをお勧めします。

きっと、あなた一人じゃないはず。電話かけの報告は@gpjTweetまで。