みなさん、こんにちは。
ボランティア・キャンペーンサポート担当の宮地です。

僕は、3月24日から福島県双葉郡内の福島第一原子力発電所の周辺地域での放射線調査を行うため、来日したヤン・バンダ プッタ(放射線安全アドバイザー/グリーンピースインターナショナル)とヤコブ・ナミンガ(グリーンピースオランダ)ら4人と共に山形県米沢市に来ています。今回の活動の目的は、原発周辺の正確な放射線レベルや、この周辺に住む方たちへの健康への影響を独自に調査することです。

調査に先立ち僕たちは3月25日、米沢市内で避難所になっている米沢市民体育館に向かいました。この避難所は福島第一原発の近くに住む人たちが多く、避難生活や原発事故のお話を伺ってきました。

「地震も怖かったけど、原発の事故を聞いてもっと怖くなってここに避難してきた」

「政府が発表している放射能レベルが本当なのか信じられない。私はここに避難してきたけど、まだ友達は福島に残っているからすごく心配」

「放射能が与える子供への影響がすごく心配。今はもうどこにも行けない」

「私は福島市南相馬に住んでいて、今回の地震と原発事故で自分の家を失ってしまいました。息子は福島第一原発で働いていました。いつも原発の安全性について大丈夫だと言っていました。まさかこんな重大な事故が起こるとは考えてもいなかったでしょう。私は一日でも早く自分の故郷に帰りたいと願っています」

僕は、避難所にいる方たちからこのようなお話を伺いとても辛く苦しい気持ちになりました。原発周辺に住む方たちは日常生活を今回の地震そして原発事故で奪われ、そしていつ原発事故以前の生活を取り戻せるか分からなくなりました。避難所での厳しい環境下での生活が続いています。小さな赤ちゃんも必死に耐えている姿もありました。それでも、お互いが声をかけて気遣う場面もあり、人の優しさ、強さを感じ復興への光を強く感じました。

避難されている方たちは、自分たちが住んでいる地域で実際に何がおこっているのか正確な情報を必要としています。今回の僕たちの活動が、少しでもその方たちのお役にたてることを願っています。

そして、翌26日、福島市内から福島第一原発まで30キロまでの間で、放射線レベルの測定調査を行いました。この日の活動を通じて、改めて今回の原発事故が与えた影響を実感しました。自主退避勧告が出ていない30キロ圏外の周辺の村落にとどまっている方はほとんど確認できませんでした。商店なども軒並み電気は消されたまま。ここに住まれていた方たちが、安全な場所に避難できているのかという思いを抱きながら、調査活動を行いました。

福島第一原発から半径30キロメートル地点には「危険 立ち入り制限中 福島県警察」の立て看板があり、岡山県警の方たちが制服姿にマスクをはめて検問をしていました。僕が持っている簡易測定器でこの地点を計測したところ、放射線数値は毎時11マイクロシーベルトに達していました。

また、地域によってはこれよりも高い放射線量が測定されました。この調査は数日間行い、その結果をまとめた上で東京にて報告する予定です。

今回被災された方たちに一刻も早い平穏な日々が訪れることを祈っています。

グリーンピース・ジャパン

ライターについて

グリーンピース・ジャパン
グリーンピースは、環境保護と平和を願う市民の立場で活動する国際環境NGOです。世界中の300万人以上の人々からの寄付に支えられ、企業や政府、一般の人々により良い代替策を求める活動を行っています。ぜひ私たちと一緒に、行動してください。

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