みなさんこんにちは。食と農業担当の関根です。

遺伝子組み換え作物(以下GM作物)はお菓子やパンにも入っている?
GM作物に使う除草剤の発がん性はどうなの?
子どものアレルギーにも関係が...?

最近、GM作物について心配が高まっているようです。

グリーンピースでは、好評いただいている「ハッピーランチガイド」で、今日新たに「遺伝子組み換え食品への配慮をしている」という幼稚園のリストを公開しました。

▼クリックするとガイドをご覧いただけます。

 

同時に、GM作物が商業生産されるようになってから、今日までの20年を検証するレポート「遺伝子組み換え 失敗の20年」を発表しました。

このレポートでは、20年もの間、GM産業がGMビジネスを推進するために語り続けてきた”7つの神話”が、すべて失敗に終わっていることを明らかにしています。
その内容を7回シリーズで紹介します。

 

 

【Q】GM作物だと収穫量が増えるの?

【A】収穫量が増えるようにつくられたGM作物はありません。

GM作物のほぼ100%が、殺虫性か、除草剤への耐性(除草剤をかけても枯れない)という性質のどちらか、または両方をもつものに限られています。

GM作物が品種改良など従来の育種方法による作物とを比較した場合でも、収量が増えたかどうかの証明に結論はでていません。

 

 

【Q】世界の食料や栄養不足の問題を解決できるの? 

【A】GM作物の生産をしているのは一握りの国々、種類もわずかです。

GM作物の栽培面積は世界の農地のたった3%。そのうち9割がわずか5カ国に集中しています。

世界で生産されている主なGM作物はわずか3種類、50%がダイズ、30%がトウモロコシ、14%がワタです。

限られた種類のGM作物を、限られた国で大量生産して大量に輸出しても、食料の供給が不安定な地域の食や栄養の問題は解決できません。

むしろGM作物栽培は農薬使用量を増やし、単一作物栽培(モノカルチャー)を推し進め、農業を最大の淡水汚染源にしている工業型農業を助長しているのです。

 

【Q】途上国のくらしのためになるの? 

【A】いいえ

途上国、特にアジアやアフリカで消費される食料の80%を生産しているのは、圧倒的に小規模な生産者です。

そこでいま必要とされているのは、その土地にあった多様な作物を、その地域の生態系の力を引き出して栽培する方法、生態系農業(注)です。
コミュニティにあった方法を実践し、その知恵と経験を蓄積していくこと。そしてそこで作られた作物が地域の経済を回し、コミュニティを強くしていくこと。
高価な遺伝子組み換えの種や、セットで販売される除草剤ではありません。

(注)グリーンピースのレポート「生態系農業」2015年

 

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