みなさんこんにちは。食と農業担当の石原です。

遺伝子組み換え(以下GM)の「神話」を暴くシリーズ、今回は気候変動についてです。

コーン畑

【Q】 気候変動と農業って関係あるの?

【A】あります。

気候変動というと、地球温暖化で海面が上昇するとか、異常気象が起きるといった印象が強いかもしれませんが、その影響は農業分野にも深く関係しています。

特に、温暖化による作物の被害で世界的な食料不足の危険性や、干ばつ・塩害などによる被害は世界的に懸念されています。

日本でもすでに温暖化によってお米や果物の品質が影響を受けていると報告されています[1]。

気候変動

【Q】GM作物なら気候変動に耐えられる?

【A】GM技術によって水害や高温に耐性を持つ作物は作られていません。
GM技術はこれら気候変動が引き起こす問題に適応できる作物を作り出すことができると宣伝していました。
例えば、シンジェンタ社は、「最近は気候変動に伴う干ばつや塩害に生産者が対応できるような作物を開発中である」と言及しています 。

しかし、この20年間、商品化されているのはほぼ2つ、除草剤耐性と殺虫性をもつ遺伝子組み換え作物だけです。GM技術によって水害や高温に耐性を持つ作物は作られていません。

土

【Q】気候変動の問題は、GMじゃなくても解決できるの?

【A】GM技術に頼らなくても気候変動に強い農作物を作ることは可能です。
気候変動に適応するためのポイントの一つは、生物多様性を高めて土壌を豊かにすることです。GM作物は過度に単純化されている農業システムで作られており、多様性とは正反対。
気候変動に対応するのは品種改良の方が進んでいることも。現在の育種技術はすでに干ばつや塩害、水害に耐性のある形質を作り出し、数か国で実用化され、気候変動の影響に対処できるようになっています。

日本でもGM技術を使わずに高温に強いお米の品種として、「つや姫」や「きぬむすめ」の作付面積が年々増加しています[2]。

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【出展】

[1] 生産局, 平成26年地球温暖化影響調査レポート【特集】~気象被害の回避・軽減事例~, 2014年8 月.
[2] 同上

グリーンピース・ジャパン

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