こんにちは。
グリーンピース・ジャパンのエネルギーチームです。

今日は、東日本大震災と東京電力福島第一原発事故から4年目を迎えるにあたっての特別企画をおとどけします。


写真:エネルギーチームの面々

4年前の3月11日、巨大な地震に大地は揺れ津波が東日本沿岸を襲いました。
翌日、東京電力福島第一原発の1号機が爆発、さらに14日、15日と連続して2〜4号機が次々に爆発、煙が上がるその光景に、日本中に戦慄が駆け抜けました。

福島原発事故は収束とは程遠く、放射能汚染の影響がどれほどの世代にわたって続くのか、そもそも、その影響はやがて無くなる日がほんとうに訪れるのかすら分からない。 そんな現実に、わたしたちは直面しています。

グリーンピースでは、4年の時を経た今、世界各地から当時の記憶、そして福島への声を集めました。みなさんが、原発のない明日への希望を掲げています。


 


写真:日本を訪れたイギリス・ウェールズのウィルファB原子炉新設反対グループ一行

イギリス:Malcolm Carroll さん
(イギリス・ウェールズでフィルファB原発の新設への反対活動に関わる)

「昨年、私は福島へ行き、津波が及ぼした自然災害の大きさと、人災である原発事故の及ぼす被害の大きさを、直接この目でみました。そこには、6カ月もの間、外で遊ぶことすら許されない子ども達や、故郷の自分の家に帰ることができず、子孫に残すべきもの全てを奪われてしまった家族の姿がありました。

2011年、私はイギリスのウェールズから、災害の様子を見つめていました。そして私の中には怒りのような感情が湧いてくるのを感じていたのです。福島にこのような事態を招いたのと同じ人たちが、ウェールズに新しい原子炉を建てようとしています。

東電福島原発事故は、防ぐことのできた人災ではないでしょうか? 当時、日本の総理大臣であった菅直人氏は、『私たちが原子力にYesと言った時から、すでに福島第一原発事故の悲劇は始まっていた』とコメントしています」

 

ベルギー:リアナ・トウール
(グリーンピース・ベルギー キャンペーンディレクター
原子力の脅威がない世界の実現をライフワークとし、福島での放射能調査のチームリーダーも務めた)

「金曜日の朝、南アフリカのヨハネスブルグの事務所でパソコンを開いた私は日本を襲った地震と津波のニュースを知りました。

5分後には、世界中のグリーンピースの核問題担当者が意見や情報を交わし、昼までには東電福島第一原発で深刻な事態が起こっているということが明らかになりました。恐怖心と、大勢の人の命に迫る深刻な危機への心配とで、私は押しつぶされそうでした。

3日後、私はグリーンピース緊急対応チームの一員に加わり、2週間後には、福島の地に立っていました。手の中で、計測機器の放射線数値が上昇するのを、私は打ちのめされるような思いで見つめていました。数千、数万もの人が自分でも知らないうちに放射能を浴びてしまうような、チェルノブイリを彷彿とさせるような地に自分が足を踏み入れていることを感じていました」

 

トルコ:Ful Ugurhan さん
(医師、メルスィン反原発プラットフォーム代表。メルスィン在住)

「メルスィンは、トルコで最初の原発であるアックユ原発が計画されている場所です。東電福島第一原発事故を目にした私の脳裏に最初に浮かんだのは、『私の懸念は、悲しいかな、間違っていなかった』というものでした。

私はその直前から、核廃棄物や原発事故が健康に及ぼす影響を訴え、リスクの高い原発への投資に対する反対運動をおこなっていました。アックユも地震がよく起こる場所であったこともあり、多くの人が福島第一事故を取り上げて抗議の声をあげました。私は、危険な原子力エネルギーに頼らなくとも、自然エネルギーによって必要な電力をまかなうことができると確信しています」

 

ドイツ:Dagmar Dehmerさん
(ターゲスシュピーゲル新聞の記者。ベルリン在住)

「2011年3月11日、たくさんの記事を書きました。東日本大震災とそれに引き続く津波の速報に、私は長い夜になると覚悟しました。

東電福島第一原発の電源喪失が分かったとき、もしも冷却機能が回復しない場合には、確実に大惨事が待ち受けていると思いました。その夜中、言いようのない不安と共に私は仕事を終え、帰路につきました。

翌朝、電源喪失が続いていることを知った時、メルトダウンの可能性について書くべきなのか、正直わかりませんでした。メルトダウンは起こりうると思いましたが、書くことで混乱とパニックを招くことが想像されたからです。 連絡を取った多くの専門家たちも、同じ見解でした。

もしも、福島第一原発事故がなければ、ドイツの原発はあと10年以上稼働を続けていたことでしょう。福島原発事故のような事故が、世界中のどこであっても、二度と繰り返されることのないよう祈っています。太陽は、私たちに必要なエネルギーを十分に輝かせてくれています。私たち人類は、経験から学ぶことができると、信じています」

 

フランス:Floranさん
(ボルドー在住)

「福島での大災害について知った時、私はまだ高校生でした。地震の翌日、テレビで船や橋が次々に流される映像を見ましたが、それがどれほど大きな被害であるのかをきちんと理解することはできませんでした。

学校では、先生が原発のメルトダウンの可能性や、それが地球の中心まで落ちていくというような話をしていました。もちろん、それを文字通り信じることはありませんでしたが、地震や津波の危険のある日本になぜ原発が存在するのかも、同じくらい信じられないことのように感じました。自然エネルギーがもっと早く発展して、危険な場所への原発建設がストップすることを強く望みます」

 

香港:Wong Wing Fungさん
(キュレーター/アーティスト。原発の過去、現在、未来のストーリーの表現活動に取組む)

「香港の港でフェリーを待っている時にニュースを知りました。日本の皆さんから、香港は遠く感じられるかもしれませんが、大規模な災害が起きた時には、世界はむしろ近く感じられます。当時、チェルノブイリ原発事故後25年のアートプロジェクトに関わっていた私は、東電福島第一事故にとても大きなショックを受けました。

福島原発事故後、私はますますチェルノブイリ、日本、そして香港をつなぐストーリーの大切さを痛感しています。私たちが勇気を持ってつながり、原子力のもたらす危機と自然エネルギー、そして未来へ立ち上がる力となることを願っています」


 

日本では、18カ月もの間、すべての原発が停止しています。多くの人が原発に反対しているにもかかわらず、安倍政権は原発の再稼動を進めようとしています。

「原発のない明日」を願うみなさんと一緒に、グリーンピースは再稼働を止めるための活動を続けています。「原発いらない」と筆をとった仲間に、どうかあなたも加わってください。

私たちはみな、放射能の恐れのない世界に住む権利を持っています。
一緒に、原発ゼロの明日を現実のものにしていきましょう!(「とめよう再稼働」署名は下記の画像をクリック)

2011年3月11日、あなたはどこで何をしていましたか?
ご自身のストーリーや未来のエネルギーについて、#ZeroNuclearをつけてつぶやきませんか? 

グリーンピース・ジャパン

ライターについて

グリーンピース・ジャパン
グリーンピースは、環境保護と平和を願う市民の立場で活動する国際環境NGOです。世界中の300万人以上の人々からの寄付に支えられ、企業や政府、一般の人々により良い代替策を求める活動を行っています。ぜひ私たちと一緒に、行動してください。

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 私は大学の研究室で材料強度に関する安来の有名なとある工学博士の論文を読んでいました。震災直後だったので古事記の修理固成を引用しエールを送った内容でした。  この方と最近会って、福島の悲劇は非常用発電機→メンテナンス不足→電源喪失、とメディアは言いますが、科学者としては、非常用発電機のエンジン→境界潤滑現象→電源喪失だと考えるべきだとおっしゃっていました。