こんにちは、キャンペーン担当の高田です。

8月30日、グリーンピースの「デトックス・ウォーター」キャンペーンが始まって7週間、世界第2位のスポーツブランドであるアディダスが「2020年までに有害化学物質の排出ゼロ」を実現するとの宣言をしました(*1)。

これで、ナイキ、アディダス、プーマというスポーツブランド世界トップ3がそろってスタートラインにつき、有害化学物質のない未来に向かう熱いレースが始まります。

<今回のアディダスの宣言のポイント>
● 2020年までに、同社のサプライチェーン全体で、製品ライフサイクルの全般において、すべての有害化学物質の排出をゼロにすることを、顧客に約束。
● 顧客と市民の「知る権利」を尊重し、生産過程で使用し排出される化学物質の量を、生産拠点ごとに公表。
● 衣料品による有害化学物質の排出ゼロとなることをめざし、業界全体での取り組みを立ち上げる
● 7週間以内に、この目標達成に向けてのアクションプランを作成し公表。

7月13日、グリーンピースは、アディダスやナイキなど世界的なスポーツ用品メーカーやH&Mやユニクロなど大手衣料品メーカーと取引実績のある、中国の繊維加工工場2か所で採取した排水サンプルから、残留性や生物濃縮性のある重金属や環境ホルモンなどの有害化学物質が検出されたことを明らかにしました。詳しくは→レポート「ダーティーランドリー」(*2)。

さらに、8月23日には新しいレポート「ダーティーランドリー2」(*2)を発行。
こうした世界的なスポーツ・衣料品ブランドのうち15社の製品を検査した結果、78サンプル中52サンプルから有害化学物質(ノニルフェノールエトキシレート)を検出したことを発表しました。

「有害化学物質の排出ゼロ」へのレースは、平坦な道のりではありません。
アディダスが加わり、世界のトップ企業が切磋琢磨して頂上を目指し走り始めました。
これからは、いかに宣言をすばやく行動に移すかがポイントです。

プーマ、ナイキ、アディダスが「2020年までに有害化学物質の排出ゼロ宣言」(デトックス宣言)を発表した一方で、このキャンペーン対象となっている企業のうち、ラコステ(Lacoste)、ジースターロウ(G-Star Raw)、中国のスポーツブランド Li Ning、そして唯一の日本企業ユニクロ(*3)が、すでに顧客に対してデトックスキャンペーンに参戦していることを公表しています。

ユニクロの発表は、「予防原則」に言及するなど、日本の衣料品ブランドとして画期的なものです。
でも、いつまでの目標なのか、達成に向けてのアクションプランなどについてはまだ書かれていません。

ナイキ、アディダス、プーマに並び(追い越し?!)、ユニクロが世界に向けて「2020年までに有害化学物質の排出ゼロをめざす」と発表してくれることを、日本人としてとても期待をしています。

試合は最後まで何が起こるかわかりません。
引き続き、’デトックス’マッチの熱戦にどうぞご注目を。

*1 アディダス発表

*2 キャンペーンの詳細とレポートはこちら

*3 ユニクロ発表について

(上部写真: デトックス宣言発表以前、アディダス店内にて。 Clement Tang / Greenpeace)
(下部写真: デトックス宣言発表以前、チェコのナイキ店前にて世界最大のストリップアピール。Ibra Ibrahimoviç / Greenpeace)