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ちょうど60年前の今日起こった、キシュテム事故。チェルノブイリ原発事故、東京電力福島第一原発事故についで、3番目に大きな原子力事故です。

大きな被害をもたらし、今でも汚染が続いているこの事故は、日本では広くは知られていません。しかし被害を受けた方々のたたかいの現状を知ると、東電福島原発事故を経験した私たちにとって、決して他人事ではないと気づきます。

1957929

旧ソ連ウラル地方のマヤーク核施設は、プルトニウムを生産するための原子炉と再処理施設のある複合施設でした。1957929日、人的ミスが爆発を引き起こし、2万平方メートルが汚染されました。

事故当時、このエリア自体どの地図にも表示されていませんでした。同じチェリャビンスクにあるマヤーク核施設で働く人々のための町と同様、いわゆる隠された閉鎖都市でした。地図上の近くの町の名前をとって、キシュテム事故と呼ばれるようになりました。およそ27万人が直接的な被害を受けました。

しかし、事故の真相が明らかになったのは、ソ連が崩壊した1990年代になってからでした。およそ30年たって初めて、ロシアの国営原子力企業(ロスアトム)が事故の責任を問われたのです。

自身も深刻な被害を受けた町の出身である人権弁護士が被害者を支援し始めたり、世界的写真家が被害を受けた人々の生活を物語る写真を発表するなど、問題が明るみになるにつれ、ロスアトムはようやく、もっとも深刻な被害を受けた人々を避難させなければならないことを認めました。

 写真家ロバート・ノースによる写真

しかしほんのすこし離れた街に避難できたのは、写真家によって有名となったある村の人々だけで、それも全員ではなく、身分証明書がない人々は、ゴーストタウンに取り残され、なんの支援も受けることができませんでした。そして、ほかの5つの村ではまったく避難されなかったのです。

60年経った今も続く汚染

マヤーク施設の汚染は止まっていません。放射能汚染水は今でも貯蔵池やテチャ川に捨てられ続けています。グリーンピースが調査した村では、避難地域と同じレベルのストロンチウム-90が検出されています。ストロンチウム-90は、東電福島原発事故でも放出されました。

ロスアトムは、汚染が貯蔵池からテチャ川流域に広がっていることを認めています。その流域の人々は今でも、庭の水やりや家畜などに、その水を利用しています。それでもまだ、汚染水がその貯蔵池に捨てられ続けています。ロスアトムは、貯蔵池を「特別産業貯蔵池」「原子力エネルギー利用用」などと呼び、汚染水を捨てる行為を「貯蔵のための放射性液注入」と言っています。 

ロスアトムの事故対応は、原子力産業が人々の暮らしや人権にいかに無関心であるかを物語っています。東電福島第一原発事故と同じです。

ヤン・ハバカンプ Jan Haverkamp 

グリーンピース・中央ヨーロッパ、東ヨーロッパの原子力エネルギー、エネルギー政策専門コンサルタント。グリーンピースの放射線防護アドバイザー

マヤークの調査に関するグリーンピースレポートは、ここからダウンロードできます

東京電力福島第一原発事故の被害を受け、今でも避難を余儀なくされている福島のお母さんが、国連人権理事会に被害者の現状を訴えます。10万人の原発事故被害者を代弁して国際社会に訴える福島のお母さんに、あなたのメッセージを託してください。

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