こんにちは、キャンペーンマネージャーの花岡和佳男です。

3月29日と30日に福井県の大飯原発付近から実施した紙風船を用いての放射性物質拡散予測調査について、4月5日、グリーンピース福井アクションセンターで結果発表を行いました。

調査概要: 

この調査は、いま国が再稼働を急ぐ大飯原発がもしも事故を起こした際に放射能汚染リスクが広域にわたることを可視化する目的で、大飯原発近辺から約1500個の紙風船を飛ばし、落ちた風船を拾った方から落下地点情報をご連絡いただく形で実施したものです。

環境に配慮した生分解性の素材でできた紙風船を用い。電線や樹木などに引っかからないように紙紐を切り、ヘリウムガスを注入して、大飯原発の近くから放ちました。また1,500という風船の個数は、グリーンピースに寄せられた“原発のない福井県”を応援するメッセージ数1,649通に可能な限り合わせたものです。風船一つひとつに、想いが詰まっています。

 

調査結果: 

風船は、大飯原発から約100Km離れた愛知県津島市、220Km離れた静岡県磐田市、遠くは350㎞離れた埼玉県川越市などで、計31個が発見されました(詳細は左の地図をクリックしてください)。風船の落下地点がそのまま放射性物質飛散リスクのある地域だと特定することはできませんが、原発事故が起きた際にそのリスクが極めて広い範囲に及ぶことが可視化されました。

当日、風船を放った現場では西に向いて風が吹いていましたが、実際に発見された風船は全て大飯原発の東側に落下していました。地上の風向きから放射性物質の飛散方向を定め避難方向を決めることが極めて困難であることが、今回の調査で明らかにしました。

 

結論と提案: 

この調査結果を基に、グリーンピースは国に対して、以下4つの提案をしています。

「地元」の範囲設定の拡大

リスクは広範囲に及ぶ。大飯原発再稼働の前提となる「地元理解」の対象範囲について、枝野経済産業大臣が「日本全国が地元」と指摘している通り、国は被害 を負う可能性のある全地域をリスクコミュニケーションをとる対象とし、「地元」の理解をいかに得るかではなく、「地元」の思いをいかに理解するかに努め る。
SPEEDIの活用 リスクを可視化できるSPEEDIを活用し、東電福島第一原発事故と同規模のシミュレーションを行い、結果を公開する。この結果を基に周辺住民に対してリスクコミュニケーションをとる。
再稼働プロセスの凍結 西川福井県知事は国に対して、福島第一原発事故の知見を反映した安全基準の策定と、原発再稼働の必要性の説明を求めている。福島第一原発事故原因を究明し、中・長期的なエネルギー政策を策定するまで、原発の再稼働プロセスを凍結する。
地域経済や雇用の支援 原発立地/周辺地域は、地域経済悪化や雇用問題に背中を押されている。原発立地/周辺地域が焦って「雇用か安全か」のどちらか一つを選択するのではなく、しっかりと議論を重ねることができるよう、国が責任をもって地域経済・雇用支援にあたる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

野田首相に声を届けよう: 

野田首相が暫定的安全基準の策定を指示してわずか2日で、安全基準が4閣僚に示されました。東電福島第一原発事故の原因究明もされていないままの状態で、指示からたったの48時間以内にこんなにインスタントに安全基準が作られてしまって、本当に安全性は担保されるのでしょうか?これまで40年にわたり国のエネルギー政策に貢献してきた福井県民や、周辺住民の安全性を、あまりにも軽視しすぎてはいないでしょうか?

みなさん、グリーンピースは野田首相に向けて「ちょっと待って」を訴えるメッセージを募集しています。野田首相が東電福島第一原発事故の教訓から学び、住民の安全を最優先とした本当に持続可能なエネルギー戦略を作るよう、稚拙な原発再稼働の決断をしないよう、一緒に求めましょう!ぜひご参加ください。