こんにちは、
国際環境NGOグリーンピース・ジャパン、エネルギー担当の柏木です。
原発事故から、4年8カ月。
事故の直後は、新聞やテレビでよく見かけた福島のこと、最近考えたりしますか?いま、福島のみなさんはどのような毎日を過ごしているのでしょうか。
2つの数字を紹介します。
10万人
事故後、4年8カ月を経ても元の自宅から離れて暮らす方の数です。県内に暮らす方もいれば、県外に暮らす方もいます。
毎時0.23マイクロシーベルト
年間の放射線被ばく量を1ミリシーベルトにするために、政府は長期的な除染目標として、1時間あたりの被ばく線量を0.23マイクロシーベルトとしています。
1時間あたりの数字は、日が経つにつれて変化していますが、地域によって、高いところもあれば、低いところもあり、さまざま。下記の図のように、原発からの距離で、放射線量の高低が決まる訳ではなく、地形や天候など複合的な要因の影響を受けています。
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*グリーンピースでは、2011年3月の東京電力福島第一原発事故直後から、福島県での放射線量調査を行っています。今年4月と7月にも、24回目となる調査(※)を福島県の飯舘村で実施し、結果を発表しました。

それぞれの”いま” 

900人の同級生が、数十人に
全町避難となった福島県富岡町。町内にあった2つの小学校は、2011年9月、避難先が近い子ども達が通えるよう、福島県三春町に仮設校舎を設けています。
住民は全国各地に避難しているため、富岡町にあった小学校2つあわせて、900人いた同級生が、今三春町の仮設校舎に通っているのは数十人になっているそうです。

避難先から、動物たちの世話に
避難指示が解除されていない地域には、人の手が届かなくなってしまった動物たちの牧場を持っている方もいます。なかには、避難指示解除準備区域に、動物たちの世話をし通っている方も。 

(c) Noriko Hayashi / Greenpeace

次々と立ち上がる福島のみなさん

原発事故から4年8か月経ったいま、ひと口に「福島」といっても、場所によって放射線量も違うし、人それぞれ生活の仕方も違います。それでも、”地域のことを人任せにせず、自分たちで自分たちの街を元気にしよう”と、前を向いた挑戦が、福島中で始まっていることは確かです。
福島県田村市で30年近く有機農業を続けてきた大河原夫婦も、希望の光を生み出し続けています。
原発事故後、農業をあきらめる農家仲間と助け合おうと、野菜や農産物の放射線量を自分たちで調べ、結果を公表して販売するお店「えすぺり」を、2013年にオープンしました。


(c) Takashi Hiramatsu / Greenpeace

福島から広がる希望「えすぺり」

大河原さんご夫妻のお店の名前「えすぺり」とは、世界共通語のエスペラント語で「希望」の意味。
いまでは、地域の農家、ご近所さん、大河原さんに勉強を教わりに来る子どもたちなど、たくさんの人が集って、お茶をしたり、おしゃべりしたりする、地域の憩いの場になっています。

大人たちが集まる”夢会議”では、自分たちの街をもっと元気にするために「えすぺり」を拠点に何ができるか、熱い意見が交わされています。


(c) Takashi Hiramatsu / Greenpeace

新たなチャレンジ

そのえすぺりで、新しい挑戦が始まりました。えすぺりの屋根にソーラーパネルを設置して、自然エネルギーでお店の電気を自給するチャンレジです。

「原発の電気はもう使いたくない。原発事故を経験したからこそ、自然に寄り添った暮らしを福島から広めたい」

いま、パネル設置費用の一部を、だれでも500円から参加できる”クラウドファンディング”で集めています。すでに全国から170人以上の方が参加してくれていて、みなさんの協力で「えすぺり」の次の夢は少しずつ形になっていますが、まだ目標額には達していません。締め切りは24日まで、残された日は限られています。

クラウドファンディングは、応援の気持ちを少額の支援に変えて、誰かのチャレンジをサポートする新しい支援の仕組み。お一人おひとりの協力で、一歩ずつ確実にプロジェクト実現につながります。ぜひ、あなたもこの夢を一緒に実現しませんか?


(c) Takashi Hiramatsu / Greenpeace

半歩でも、1/3歩でも前へ

その言葉を胸に、歩みを進める福島のコミュニティがあります。
500円から参加できる支援、ぜひあなたも参加してください!参加してくださった方には、えすぺりから心のこもったプレゼントも、届きます。
福島をお日さまエネルギーの暮らしがあふれる場所にするために、あなたの支援が必要です。

(※)http://www.greenpeace.org/japan/ja/campaign/monitoring/24th/

 

グリーンピース・ジャパン

ライターについて

グリーンピース・ジャパン
グリーンピースは、環境保護と平和を願う市民の立場で活動する国際環境NGOです。世界中の300万人以上の人々からの寄付に支えられ、企業や政府、一般の人々により良い代替策を求める活動を行っています。ぜひ私たちと一緒に、行動してください。

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