こんにちは。エネルギーチームの鈴木かずえです。
お隣韓国の大統領が、しましたね!脱原発宣言。
文在寅大統領が、6月19日、原発の新規建設計画白紙化、老朽原発の運転期間延長中止、また、石炭火力についても減らし、新規建設全面的中止することなどを明言しました。
そこで、7月27日、13時からと19時からの2回、韓国で脱原発に取り組んでいるグリーンピースのエネルギー担当のトークイベントを開催します(東京)。ぜひ、きてくださいね。(詳細はリンクで)
さて、文在寅大統領の宣言は、6月19日に、韓国の最も古い原発、古里(コリ)原発の閉鎖した日に行なわれました。
大統領は次のように述べています。
……………
尊敬する国民の皆さん!
古里1号機の稼動の閉鎖は,脱原発国家に向かう出発です。
安全な大韓民国への大転換です。
私は,今日を基点に私たちの社会が国家エネルギー政策についての新たな合意を集めながら進んでいくことを期待しています。
これまで,わが国のエネルギー政策は低コストと効率性を追求してきました。
発電単価の低コスト化を最優先し,国民の生命と安全を後回しにしてきました。
持続可能な環境についての考慮も軽視してきました。
原発は,エネルギーのほとんどを輸入に頼らねばならない,わが国が開発途上にある時期に選択したエネルギー政策でした。
しかし,変えるべき時がきました。
国家の経済水準が変わり,環境の重要性についての認識も高まりました。
国民の生命と安全が何よりも重要だということが確固たる社会的合意として根付いています。
国家のエネルギー政策もこのような変化に足並みを揃えなければなりません。
方向は,明らかです。
国民の生命と安全,健康を脅かす要因を除かなければなりません。
持続可能な環境,持続可能な成長を追及すべきです。
国民の安全を最優先とするクリーンエネルギー時代,私は,これがわが国のエネルギー政策が追求する目標だと確信します。
…………………………
すばらしい未来を思わせるスピーチ*です。
しかし、文大統領は、夢ばかり語っているわけではありません。
スピーチの最後は以下のように結ばれています。
……………………….
尊敬する国民のみなさん!
私たちは,今新たな挑戦を始めています。
慣れたものと決別し,新たなものを創造しなければなりません。
国民の生命と安全を守りながら,安定的な電力供給も維持しなければなりません。
原発と石炭火力を減らしながら,これに代わる新再生エネルギーを適時低価格で生産しなければなりません。
国家エネルギー政策の大転換,決してたやすいことではありません。
政府と民間,産業界と科学技術界が協力しなければなりません。
国民のエネルギー認識も変わらなければなりません。
脱原発,脱石炭のロードマップとともに環境にやさしいエネルギー政策を打ち立てます。
多くの困難があることでしょう。
しかし,明らかに進まなければならない道です。
健康なエネルギー,安全なエネルギー,きれいなエネルギー時代に進みましょう。
国民の安全と生命を最高の価値と考える安全な大韓民国を作ります。
ありがとうございました。
………………………
日本と同様、化石燃料に乏しい韓国は、25基の原子炉を有し、建設中や計画中のものも約10基あり、原発依存率は約3割という原発大国です。石炭火力の割合も高く、東電福島原発事故前の日本のエネルギーミックスと似ている点も多くあります。
その韓国でできるなら、日本もできるはずです。
脱原発宣言への道のりは?トークイベント開催
でも、韓国で、なぜ大統領が脱原発を宣言するに至ったのでしょうか?
実際に、脱原発と当時に石炭火力発電も本当に減らせるのでしょうか。
7月27日、グリーンピースといっしょに考えませんか?
福島第一原発事故後、グリーンピース東アジア ソウル事務所(韓国)は、脱原発に向けた活動に注力してきました。その中心で活動してきたエネルギー担当のダウル・チャンが来日します。
ぜひ、きてください。(逐次通訳つき)
グリーンピース東アジア(ソウル事務所)ダウル・チャン来日
~韓国もエネルギーシフト!現地からの報告~
昼の部
日時:2017年7月27日(木)13:00~15:00 ※12:30より参議院議員会館ロビーで通行証配布)
場所:参議院議員会館B101(東京都千代田区永田町2-1-1)
主催:国際環境NGOグリーンピース・ジャパン
協力:国際環境NGO FoE Japan 福島老朽原発を考える会 eシフト
参加費:無料
定員:30名
(席に限りがございますため以下からお申込みください)
申し込み:こちらから
夜の部
日時:7月27日(木) 午後7時〜9時(逐次通訳つき)
場所:グリーンピース・ジャパン事務所
(東京都新宿区西新宿8-13-11 NFビル2F、地下鉄丸ノ内線西新宿駅下車徒歩5分)
参加費:無料
定員:30名
(席に限りがございますため以下からお申込みください)
申し込み:こちらから
発表者紹介:ダウル・チャン/グリーンピース東アジア・ソウル事務所(韓国)・エネルギー担当
経済学の学士号及び国際政策と再生可能エネルギーの分野でそれぞれ修士号を取得。政府機関、国連及びシンクタンクでの勤務の後、東京電力福島原発事故以降、グリーンピース東アジアのソウル事務所にて、韓国における原発の段階的廃止のキャンペーンを担当、グリーンピースの福島県での放射能環境調査にも複数回参加、現在に至る。
ダウルに先に会いたい方は、以下の動画をどうぞ。
「映画”パンドラ”より現実がより恐ろしい理由(新古里5、6号機建設反対のメッセージ)」
* スピーチ訳は、梁知愛さんによります。
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