こんにちは、海洋生態系担当の田中です。

これまで2週に渡り、現在のシステムでは私たちは魚を選んで買うことが出来ず、違法や過剰に獲られた魚を知らず知らずに食べている可能性があることをお伝えしてきました。

 シリーズ最終回となる今回は、豊かな海を次の世代に引き継ぐために「私たち消費者にできること」についてのお話です。

 私たちが店頭で持続可能に獲られた魚を選んで買えるようになるためには、魚の購入先となる企業に以下3つのことをしてもらう必要があります。

 1.持続可能な魚介類の調達方針の策定

スーパーマーケットや飲食店チェーンなどの調達方針(食品を仕入れる際のポリシー)として「IUU(違法・無規制・無報告)漁業で獲られたものは取り扱わない」「獲りすぎの状態にある種を取り扱わない」ことを定めてもらうことが必要です。

 2.トレーサビリティの確立

トレーサビリティ(traceability)とは、商品の生産、移動、消費の流れが追跡可能な状態のことを指し、一般的には、各段階で記録を作成・保存しておくなどの方法がとられます。流通プロセスの透明性が高まれば、わたしたちの手元に来た魚介類が、どこで、誰によってどのように獲られ、どう流れてきたものなのかを知ることができます。水産品は、「もともと誰のものでもない」ものを獲ってくることが多いことや、複数の中間業者を経由して消費者の基に届くなど特徴があり、流通経路がブラックボックスになりがちです。トレーサビリティの確立している商品が取り扱われることで、それが本当に持続可能に獲られたものかどうかを確認することができます。

 3.消費者への情報の公開

調達方針やトレーサビリティについての情報を、企業から消費者に公開してもらう必要があります。私たちは、その情報を基にお店を選んで買い物をしたり、持続可能に獲られた魚を選択して購入することが可能になります。

よく利用する近所のお店で、持続可能に獲られた魚を安心して購入できたら良いと思いませんか? 選択肢がないと諦めてしまわずに、現状を変えましょう。

たとえば、こんな方法があります。

 

 

  • 消費者の声を直接スーパーや飲食店に届ける

    普段利用しているスーパーマーケットやお店へ、消費者の声を届けてください。お店に置いてある「お客様の声」ボックスを利用して要望を届ける、お客様相談室や消費者センターに電話やメールなどで直接伝えるのも効果的です。

    また、もし持続可能に獲られた魚が一部売られていた場合、その商品を選んで買うことで企業に消費者のニーズが伝わり、取扱量が増えるかもしれません。

  • オンライン署名に参加する

    「持続可能な漁業で獲られたお魚を買いたい」「違法や過剰に獲られたお魚は売らないで」「商品を選ぶために十分な情報提供を」といった消費者のお願いを、オンライン署名で表明してください。集まったメッセージは、大手スーパーマーケット5社や各社が所属する業界団体などへ届けます。消費者1人ひとりの声は、各企業と交渉する際に強い後押しになります。 署名はこちら

  • 情報を広める

    海の現状と問題は、まだ多くの人に知られていません。twitterやfacebook、ブログなどで、この問題を周りの方に伝え、活動の輪を広げてください。

    わかりやすく海の現状を説明しているリーフレットを無料でお届けしています。ぜひお役立てください。 お申し込みはこちらから

 

スーパーマーケットに消費者の声を届けることは、消費者のニーズを伝えることであり、企業を応援することにも繋がります。「いつも利用している愛着のあるお店だから、もっと良くなってほしい」「こういった商品を取り扱ってもらえれば、もっと利用する」そういった声を企業側も求めているのではないでしょうか。

小さな行動の積み重ねで、社会は変わります。次の世代に魚を残していくために、ぜひ、できることから行動してみてください。

 

〈海・漁業・流通のいま〉 

シリーズ第1回:海の現状について

シリーズ第2回:漁業現場で起きていること

シリーズ第3回:資源管理

シリーズ第4回:ラベル表示でどこまで分かる?①

シリーズ第5回:ラベル表示でどこまで分かる?②

シリーズ第6回:私たちにできること