こんにちは。

ヨーロッパのハチに朗報です。

16日、欧州委員会がハチ大量死との関連が指摘されてきた「フィプロニル」という農薬の規制を決定したのです!

これで、EU加盟国全体でフィプロニル農薬の使用が制限されることになります。

欧州委員会で投票にかけられた今回の規制案は、以下の図のように27加盟国中、英国、チェコ、スロバキアが棄権(グレー)、ルーマニアとスペイン(オレンジ)が規制に反対を投じましたが、23か国(グリーン)が規制に賛成という圧倒的多数で可決しました。

すでに欧州委員会はハチを保護するために、ネオニコチノイド系農薬3種(クロチアニジン、イミダクロプリド、チアメトキサム)の使用禁止を5月に決定しています。

今回、ネオニコチノイド系農薬ではないフィプロニルを追加で規制対象に含めたことは、農薬会社の利益よりミツバチ保護を優先するという強い意気込みを感じさせます。

この規制は、今年12月31日から適用される見込みです。

温室などでの使用が認められるなど、まだまだ抜け穴はありますが、規制に一歩動き出したことはミツバチ保護のために大きな一歩でしょう。

 

日本の規制は遅れるばかり

日本でもフィプロニルは殺虫作用をもつ農薬としてさまざまな場所で使用されています。

特に、稲作で使用されていますが、その強い殺虫作用から、赤とんぼなどの昆虫類減少の原因としても指摘されています。

フィプロニルは農薬としてだけではなく、ペットのノミ駆除、アリ駆除、ゴキブリ駆除などの家庭内殺虫剤としても使われますので、みなさんも知らずに使っているかもしれません。例えば、ゴキブリ駆除として、台所に置くタイプのバルサンなんかは、フィプロニルを使用していますし、ペットのノミ駆除として有名なフロントラインという商品もフィプロニルを使用しています。

ヨーロッパで進むネオニコチノイド系農薬の規制ですが、日本ではまだまだです。

グリーンピースは、このような農薬の全面禁止と有機農業への転換をもとめて活動をしています。

 

★「そもそも、ネオニコチノイド系農薬や浸透性農薬ってなんだ?」という方は、以下のブログをお読みください。

参考ブログ:

「ハチ大量死の原因はネオニコチノイド系農薬―住友化学は否定するけれど…」(2013年6月19日)