こんにちは。海洋生態系担当の花岡和佳男です。

続く乱獲により、ウナギに次いでマグロがピンチ。このままでは子どもたちが食べられる魚は一つずつ減っていってしまいます。今回は、中西部太平洋のメバチマグロについて。

メバチマグロは広くスーパーマーケットなどで刺身や盛り合わせとして出回るマグロで、日本で消費されるマグロ類の約30%を占める主要種です。多くのメバチマグロが獲れる中西部太平洋には、この海域の漁業管理を行う中西部太平洋まぐろ類委員会(WCPFC)という国際機関がありますが、この科学委員会は2005年の時点から、この海域のメバチマグロが過剰漁獲されているとして管理強化の必要性を訴えていました。しかし8年たった今もなお、この海域のメバチマグロ漁業の規模は大きくなる一方で、乱獲が続き、持続可能性から遠ざかる一方の状態が続いています。

WCPFCの熱帯マグロに関するワーキンググループが、明日8月27日から3日間、東京の三田で開催されます。加盟国政府の代表が集い、メバチマグロなどの保護管理措置について話し合います。これに先駆けグリーンピースは本日26日に日本外国人特派員協会(FCCJ)で記者会見を開き、同種の乱獲に危機意識を持つ国際環境NGOであるWWFとPEWと共に、WCPFCおよびマグロ漁業国に対して、メバチマグロの過剰漁業を規制し他の熱帯マグロ類も予防原則と科学的根拠に基づいた資源管理を強化するよう求めました。

 

WWFジャパン水産プロジェクトリーダーの山内愛子さんから、日本のマグロ消費規模の大きさや、主要漁業国其々のマグロ漁法などについて、ブリーフィングがありました。

PEWの太平洋マグロ漁および漁業の国際管理担当のアダム・バスクから、無差別に魚を寄せ付け幼魚や非対象種までも大量に獲るFADs(人口集魚装置)を用いたまき網漁の問題性や、WCPFC科学委員会が提案する漁獲量削減率などについて、共有されました。

グリーンピース・インターナショナル海洋生態系担当でグローバルプロジェクトリーダーのサリ・トルヴァネンから、中西部太平洋のマグロ漁の全体像や、はえ縄の問題性などについて、プレゼンがありました。

記者会見会場には国内外の22のメディアが集いました。私は今回、司会進行を務めました。

 WCPFC加盟国は今回のワーキンググループで、メバチマグロの漁獲量を減らしFADsの使用を禁止し漁船数を市場に適したレベルにまで下げる強い対策を取らなくては、漁業会社は漁業資源の低下に伴い大きな被害を受けることになるでしょう。マグロ漁業を持続可能な産業に作り変えていくため、今は漁獲量削減による収入減などの一時的負担をWCPFC加盟国が担うことが求められます。

 

マグロとその漁業を次世代に残すための建設的議論が進むよう、グリーンピースは明日、WCPFCワーキンググループに参加します。

記者会見の模様は こちらの「過去のライブ」からご覧ください。