こんにちは。

秋田県大潟村のお米の生産者が中心になって、ミツバチの大量死の一因と言われているネオニコ系農薬の使用をやめようという集会「斑点米とネオニコチノイド 系農薬を考える連続集会(主催:米の検査規格の見直しを求める会日本消費者連盟)」が開かれ、私たちも参加してきましたので、報告させていただきます。このように生産者の側からの動きは画期的です。

集会の前に行われた、秋田県庁への申し入れにも同行してきました。

要望書を渡して申し入れをする大潟村で環境や農薬の問題に20年以上取り組んでいる農家の今野茂樹さん、消費者団体(日本消費者連盟、米の検査規格の見直しの見直しを求める会、ダイオキシン・環境ホルモン対策国民会議など)の方々です。

   

 

要望書を受け取った秋田県農林水産部の水田総合利用課の担当者の方は、「コメの価格は民間できまっていることなので、県として価格差が大きいとか小さいとか­言う立場にはないが、第三者に説明できる根拠は持つべきだということは伝えたい」と言っていたように、秋田県農林水産部もコメの等級価格差に根拠がないと考えているようでした。

申し入れの様子は、NHKをはじめ地元新聞にも記事が出ています。
NHK(3月3日)
秋田魁新報「「ネオニコ系農薬、使わないで」 消費者団体、県に要請書」

その後行われた集会では、ネオニコチノイド系農薬の問題点について、ダイオキシン・環境ホルモン対策国民会議の水野玲子さんから詳しい説明がありました。
その後、秋田県大潟村で20年以上環境や農薬の問題に取り組んできた農家の今野茂樹さんから、コメの等級による価格の差が、イネにつく害虫とされているカメムシの防除などに使われるネオニコチノイド系農薬の使用拡大を招くなどの報告がありました。


ダイオキシン・環境ホルモン対策国民会
水野玲子さん

 


秋田県大潟村で20年以上環境や農薬の問題に取り組んできた農家の今野茂樹さん

「農薬を売りたい人がいる。それははっきりしている」

・農薬が必要な理由は?
1等米と2等米の価格差がおおきな原因の一つです。害虫であるカメムシの被害による斑点米の混入率がお米の等級に関わっている。
JA全農(全国農業協同組合連合会)が過大な価格差(600円の差)をつけていることが農家の損失を拡大させている。本当は50~100円差くらい。
この価格は市場原理で決まっているのではなく、全農の会議室で決まっている。この価格差が、農家の損失を拡大させ、カメムシ防除のためにネオニコチノイド系農薬の大量散布に拍車をかけているという事です。

しかし、今は精度のよい斑点米判別機が全国の精米工場に普及していて、斑点米は消費者の手元に届くことはない。斑点米を防ぐと称して農家に農薬を使わざるを得ないよう仕向ける仕組みはおかしい。

しかも、斑点米の原因となる害虫カメムシの被害が最も少ないのは有機栽培。最も多いのは慣行農業なんです。

<質疑応答>
Q:なぜ厚生労働省はネオニコチノイド系農薬が安全というのか?
A:いずれ認めると思うが、在庫が処分され、新たな農薬が開発されるまで認めない。認めさせるには、国民がいらないという声を上げ、市民と生産者がともに声を上げることが必要。いずれ危険性を認めると思うが、それまでに被害を受ける方がどれだけいるのだろうか。

Q:農家の方はなぜ、価格差を付けていると?
A:第一に農薬ムラがあるからだ。さらに、1等米と2等米の価格差である600円より安くすると、斑点米を防ぐためとして使われる農薬の方が高くなってしまい、農薬が売れなくなるから。


最後に今野さんは、
安全なものを作るということは手間暇がかかる。農薬を撒かないことが価値となってほしいと言っていました。そして消費者にもその価値が伝わり、おかしな農薬を使わない農業が増えてほしいと訴えていました。