みなさんこんにちは。



私たちが食べている農産物の1/3が、ミツバチなどの受粉によってつくられているほど、ミツバチは私たちの食生活に欠かせない存在です。

そんなミツバチがいま、日本、そして世界中で大量消失が起きています。その理由の一つが、ネオニコチノイド系農薬です。EUではすでに昨年末に一時禁止されていますが、日本では、規制がないどころか、この15年間にネオニコチノイド系農薬の使用量が3倍に増加し、残留基準も緩和されつつあります。

農林水産省は2013年に「ミツバチの被害実例に関する調査・報告について」とする3年計画の調査を始めました。しかし進捗は公開されていないので、対策の遅れが心配されます。

そんな状況の中、ついにハチたちが立ち上がりました。

映画監督でアニメーターのダニエル・バード監督が52秒間のビデオ映像「Green bees(グリーンビーズ:人間を守るため立ち上がったミツバチたち)」を作りました。


映像の中では、私たち人間を守るために立ちあがったちいさなミツバチ“グリーンビーズ”たちは、ミツバチを死に追いやる化学農薬に依存した農業に抗議し、小さな、小さなバナーを掲げ、農薬会社の農薬に対して抗議デモを行います。農薬がもたらす危険はミツバチだけでなく、人間にも及ぶからです。

ミツバチは環境、農業、そして世界中の食物生産に欠かせない存在です。しかし、彼らは敏感な小さな生き物です。彼らの貢献にもかかわらず、毒性の強い農薬を製造する大企業は、ミツバチを危機に追いやっています。実際にミツバチたち自身が抗議活動を行ったり、ミツバチたちが消え失せてしまったら、どんなに悲惨な状況におちいるかということを、私たちに警告することもできません。

しかし私たちは、ミツバチの数の減少の示す意味を理解し、目を覚まさねばなりません。ミツバチを守るためだけではなく、私たちの未来と、もろく壊れやすい環境を守るためでもあるのです。

ダニエル・バード監督は、「このビデオ映像は遊び心を入れて作りましたが、同時にミツバチが弱く敏感な生きものであることや、対する農薬会社の巨大さを描きたかったのです。」と話します。映像の中には"Save the Humans (人間を救え)"とプラカードで訴えるミツバチが登場します。これはまさにこのキャンペーンの主旨とも言えます。

ダニエル・バード監督は長年グリーンピースとの共同作品を手掛けてきた監督・アニメーターです。今回の“グリーンビーズ”の抗議活動は、グリーンピースの象徴的な抗議活動のスタイルを模しています。

ミツバチによる52秒間の抗議活動、ご覧ください。



-作品情報-
タイトル:“グリーンビーズ”
所要時間:52秒
監督:ダニエル・バード
原作:ダニエル・バード、ジャロスラブ・ムラゼック(Jaroslav Mrazek)
音楽: Hecq
制作会社: Savage
エグゼクティブ・プロデューサー:Klara Kralickova
プロデューサー:Vojta Ruzicka
写真監督: Martin Matiasek
ポストプロダクション: Progressive FX
プロデューサー:Jan Rybar, Jirka Mika
CG/VFX 指導:Jan Rybar
アニメーション:Peter Harakaly, Jakub Sporek
CG モデリング: Frantisek Stepanek, Martin Frodl, Hynek Pakosta,

テクスチャ: Martin Konecny
照明美術:Frantisek Stepanek
グレーデング、コンポージング:Radek Svoboda
追加コンポージング: Pavel Vicik, Peter Orlicky
グリーンピースの虹の戦士号と気球の提供: Ship Simulator Extremes
撮影地:Czech Republic
ミツバチモデリング&アニメーション作成:Progressive FX.

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