はじめまして。海洋生態系担当の小松原です。8月からグリーンピース・ジャパンのメンバーになりました。

今日は、そんな新入生の私と一緒に、知っているようで知らなかったマグロに関する疑問に迫ってみませんか?

 

Q:そもそもマグロって何種類いるの?

A: 私たちが食べている、いわゆるマグロは全部で6種類。ミナミマグロ、メバチマグロ、大西洋クロマグロ、太平洋クロマグロ、キハダマグロ、ビンチョウマグロです。

ミナミマグロは別名インドマグロ、大西洋クロマグロと太平洋クロマグロは、あわせてクロマグロ(本マグロ)とも呼ばれています。スーパーなどではこちらの名前で表示されていることも多いので、聞き覚えがあるのではないでしょうか。

 

Q:数が減っているってホント?

A: 本当です。3種類が絶滅危惧種、2種類が準絶滅危惧種に指定されています。特にミナミマグロは絶滅の危険性が一番高いランクに、大西洋クロマグロは2番目、メバチマグロは3番目ランクにそれぞれ指定されています。

日本はマグロの一大消費国で、全世界のマグロ漁獲量の約25%以上を、世界人口の2%弱の日本が消費しています。種別にみると、クロマグロにおいては世界漁獲量の約80%、ミナミマグロに至ってはなんと95%以上が、日本で消費されているんです。

マグロの数が減っている要因は様々ですが、過剰消費による影響が大きいことは言うまでもありません。また、まだ絶滅危惧種に指定されていない太平洋クロマグロも、最近の研究により、その数はかつての4%まで減ったとも言われており、対策が急がれています。

 

 

Q: でもスーパーやレストランとかで普通に売られてますよ?「養殖」って書いてあるものは大丈夫でしょう?

A: 各国が国際委員会等で漁獲量を定めて、マグロの資源管理を試みていますが、あまり上手くいっていないのが現状です。

スーパーやお魚屋さんで目にする「養殖」マグロは実は、一部流通されている卵から育てた「完全養殖」のものを除き、本当は「蓄養」と呼ばれる、海で泳いでいる若いマグロを獲ってきて、食べ頃になるまで育てたマグロがほとんどです。

蓄養のために、若いマグロが過剰に獲られていることも、マグロの個体数の減少に大きく関わっているのです。ところが、日本では「蓄養」マグロも「養殖」と表記されるので、見分けがつきません。

 

Q: じゃあどうすればマグロを守れるの?

A: マグロも他の魚も、海で成長、産卵し、増殖していきます。このペースを超えない漁業を行っていけば、生態系も漁業も魚食も持続可能なものになります。つまり今の過剰な漁業のペースを、持続性を担保できる規模に抑えればいいということですね。

そのためには、国際的な資源管理を強化すると共に、市場にも変化が必要です。日本では食卓にのぼる魚の約70%がスーパーマーケットで売られていますが、国内20000店のスーパーマーケットでは、毎日同じような魚が同じような値段で売られていますよね。こういう無理な調達が、世界中の過剰漁業を後押ししているんです。

 

 

Q: 私達1人ひとりにできることは?

A: カギを握るのは消費者の力。スーパーマーケットなどに、「持続可能な魚を売ってください」「絶滅危惧種や乱獲された魚を売らないでください」「十分な資源管理がされた魚をもっと探してきて売ってください」と言った「お客様の声」を一緒に届けましょう。スーパーなどは1件の「お客様の声」の裏に、10~100の需要があると読みます。ということは、この声が大きくなれば、サプライチェーンをさかのぼって行政を巻き込んで漁業の現場を守ることができます。

皆さんの声をスーパーマーケットにお届けする、「おさかな貯金」に参加してみませんか?