こんにちは。核/エネルギー担当の鈴木かずえです。

今、国の原子力規制委員会が、九州にある川内原発1,2号機について、再稼働の審査をしています。その審査書案が8月15日まで、パブリックコメント(意見公募)にかけられています。

国の再稼働審査について、意見を言える機会です。

ぜひ、パブリックコメントを出してください。

グリーンピースも、以下のパブコメを提出しました。


 1)パブリックコメントは公開し、検討し、その結果を最終の審査書に反映させてください。

今回のパブリックコメントは、その募集要項で、それに対して、「科学的・技術的なご意見」を求めるものだとしています。

しかし、パブリックコメントの目的は「事前に、広く一般から意見を募り、その意見を考慮することにより、行政運営の公正さの確保と透明性の向上を図り、国民の権利利益の保護に役立てること」です(総務省運営WEBサイトより)。

国民は、再稼働適合審査の在り方や、パブリックコメントの在り方についても、意見を言う権利があります。

「科学的・技術的」意見のみを求めるのでは、行政運営の公正さや透明性を確保することはできませんし、国民の権利利益の保護という目的にもかないません。

また、今回のパブリックコメントは、「御意見が下記に該当する場合は、御意見の一部を伏せること、または、御意見として取り扱わないことがあります」として「意見が、対象となる原子力発電施設等の設置変更許可申請に係る規制基準適合性審査に関する審査書案における科学的・技術的判断と無関係な場合」となっています。

寄せられた意見が「科学的・技術的判断と無関係」かどうかの判断は「総合的に」行うとのことですが(原子力規制庁への問合せ結果による)、判断基準も公開されないままでは、「行政運営の公正さの確保と透明性の向上を図」ることはできません。

今回のパブリックコメントは、「科学的・技術的判断」であるなしに関わらず全て公開し、検討し、検討のプロセスも公開され、その結果は、最終審査書に反映されるべきと考えます。

2)活断層の詳細調査をしてください

意見提出箇所
ページ 16
章番号 3

審査書案では、申請者が行った断層などの調査について、「これらの調査及びその結果が、調査地域の地形・地質条件に応じ適切な手法、範囲及び密度で行われ、活断層の位置、形状、活動性などを明らかにしており、それらの結果を総合的に検討している」としていますが、地元鹿児島の「川内原発活断層研究会」と地質学を専門とする立石雅昭新潟大学名誉教授が、2014年2月9日に現地をおとずれ、原子炉北東約750メートルの場所に活断層の疑いのある断層を発見しています。

調査結果は、九電に提出され、詳しい調査が求められています。(http://masatate.blog.fc2.com/blog-entry-18.html

立石教授は、「断層の粘土は非常に軟らかく、13万~12万年前以降に動いた可能性が否定できない」としています。

こうした地元の方々からの情報を遮断せずに、原子力規制委員会として調査を行うべきと考えます。

3)巨大噴火の兆候は把握できません

意見提出箇所
ページ 64
章番号 3

審査書案では、監視対象としている火山のモニタリングが「監視項目及び監視の方法、定期的評価の方針及び火山活動の兆候を把握した場合の対処方針を示していることなどから、火山ガイドを踏まえていることを確認した」(P64)としていますが、そもそも巨大噴火については「予知できない」と複数の火山学者が明言しています。

小山真人静岡大学防災センター教授は静岡新聞への投稿で、「予知可能とされた件に異を唱えたい」とし、「予知できるかどうかは火山噴火予知連絡会に諮問してほしい」としています。また、火山噴火予知連絡会の藤井敏嗣氏は予知は不可能とし「立地すべきでない」とまで、赤旗編集部の取材に答えて述べています(赤旗 2014年5月11日号)

川内原発再稼働について、異なる意見を持つ複数の火山の専門家により検討をやり直すべきと考えます。

4)原子力防災計画の有効性の審査をすべきです

審査書案では、重大事故が起きた際の事業者側の対策・対応のみを取り扱っています。自治体に策定を義務付けた原子力防災計画については、審査が行われません。

原子力規制委員長の田中俊一氏は、これまで「防災計画と規制は車の両輪」と発言されてきました。ところが、原子力規制委員会としても国としても「防災計画と再稼働適合審査はリンクしない」としています。

地方自治体の原子力防災計画は、国の機関によって精査されず、国は策定の支援に留まっています。

ご存じのように、米国の原子力規制委員会では、防災計画が有効でない限り原発の稼働はできないことになっており、原子力規制委員会は地域の防災計画に責任を持ち、また、防災計画が有効でない場合には、原子炉を停止させる権限もあります。

現在、約半数の原発が立地する地方自治体が原子力防災計画を策定していると聞いています。複数の自治体の計画を読んだところ、避難のためのさまざまな体制の整備がこれからである、地震、津波、雪害、台風その他の複合災害は想定されていない、入院患者などの要援護者についてはほとんど手付かずであるなどの問題がありました。

グリーンピース・ジャパンが今年6月7日から9日にかけて行った調査では、薩摩川内市の原子力防災計画では、津波や洪水などの複合災害が想定されていないばかりか、同じ薩摩川内市作成の津波ハザードマップと整合性が取れていないことが明らかになりました。

同市の避難計画では、自家用車で避難できない住民は徒歩で一時集合場所に集まり、バスに分乗して避難することになっていますが、同じ薩摩川内市作成のハザードマップでは、その周辺や集合場所が津波や洪水時に浸水する危険区域と示されていました。(http://www.greenpeace.org/japan/Global/japan/pdf/20140610_evacuate_test.pdf

また、実地調査に先立って、グリーンピースが第三者機関に委託して実施した、川内原発30キロ圏および鹿児島市の住民あわせて500人を対象に実施したインターネットによる意識調査では、「川内原発で深刻な事故が起きたとき、被ばくすることなく避難できると思うか」という質問に対し「そう思う」と答えた住民は10%以下に留まりました。

また、現在審査対象となっていない避難計画自体の有効性について、国による審査を望む人は7割にのぼりました(http://www.greenpeace.org/japan/Global/japan/pdf/20140610_poll.pdf

各自治体が策定した現状の「原子力防災計画」についても、再稼働の決断がなされる前に、住民参加で検討し直し、さらに国の機関などにより有効性が審査されるべきです。              


川内原発再稼働、いっしょに止めましょう。

川内原発再稼働が止まれば、今、あと17基申請されている原発の再稼働を止める大きな流れができます。

このパブコメで、市民の多くが反対していることを示しましょう。


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