こんにちは。海洋生態系担当の小松原です。今日は、27日よりアメリカで再開されている全米熱帯まぐろ類委員会(IATTC)の最終日です。

本マグロの名前でおなじみの太平洋クロマグロの96%を私たちが食べ尽くしてしまいました。絶滅まっしぐらの状況を変えるには、本委員会の争点である、2015年以降の未成魚(30kg未満)の漁獲量半減(2002-2004年比)がとても重要です。しかし、メキシコが反対の意を示しているため、採択されないかもしれないのです。

 

メキシコが合意しないと?

太平洋クロマグロの資源を管理する国際機関は2つあります。太平洋の東側を管理するIATTCと、西側を管理するWCPFCです。12月初旬にはWCPFCの年次会合が開かれますが、ここでは、9月に同北小委員会で合意に至った未成魚の漁獲量半減案がそのまま採択される見込みです。

太平洋クロマグロは、太平洋をグルッと回遊するため、東西の両側で管理保護措置を導入しないと、効果的な個体数回復は望めません。もし、メキシコが合意しなかった場合、せっかく西側で未成魚漁獲量を半分に減らしても、東側で獲り放題だったら意味がありません。

 

 

最終手段はメキシコからの輸入規制!

メキシコで獲られた太平洋クロマグロのほとんどは、畜養されたのちに(大きくなるまで生け簀で育てること)、日本へ輸出されています。IATTCで未成魚漁獲量の半減措置が採択されなかった場合、代替案として、日本への輸入を規制することが考えられます。

そこで、グリーンピース・ジャパンは、大手商社や水産会社に対して、メキシコ産太平洋マグロの輸入実績と調達方針について質問状を送付し、その実態を調査しました。その結果、多くの企業から、国際機関や政府の方針に従うとの回答がありました。

日本の水産庁も、メキシコ産太平洋クロマグロの輸入・販売に携わる国内業者に対して、メキシコが本案に合意しない場合には、輸入を自粛するよう協力を求めたと発表をしています。

全員が足並みを揃え、太平洋クロマグロの保護管理に積極的に取り組むことが理想ですが、合意が得られない場合には、輸入禁止などの強制的な措置をとらざるを得ません。今日どんな結果に至るのか注目しましょう。