皆さんこんにちは。

今日は、ネオニコチノイド系農薬のメーカー住友化学の株主総会です(第134期定時株主総会)。食と農業チームは全員で同社の前で、住友化学の株主の方々に向けたアピールや、総会会場での質問をしました。

 

© Masaya Noda / Greenpeace

 

1. 株主総会会場前でアピール

朝、株主総会の開催前では、会場入りする住友化学の株主の方々に向けて「ミツバチと子どもに優しい社会へ Sumitomo Chemicals Kill Bees (住友化学の化学製品でハチが死んでいる)」と書かれた横断幕と、ミツバチへの被害や子どもの神経や脳の発達への悪影響が懸念されることを示すフォトボードを掲げました。

 

同時に、ネオニコチノイド系農薬が世界中で規制され始めていることや、世界中のミツバチ減少の主要因だとする科学的な証拠が集まってきている状況を説明するチラシを株主の皆さんに手渡しました。そしてネオニコ系農薬の製造・販売が同社のビジネスやブランドにもリスクであることを株主の方々にも訴えました。

多くの方が受け取ってくださいました。

 

 

2. 株主総会会場で質問

グリーンピース・ジャパンは住友化学の株主でもあり(注1)、株主総会会場では、ネオニコチノイド系農薬に関して経営陣に対して次の3つの質問をしました。

☆クロチアニジンの残留基準の引き上げに反対するパブリックコメントは約2000通近くにのぼりましたがまず、こうした消費者の声に向き合おうとしていらっしゃるのでしょうか。

☆ネオニコチノイド系農薬はミツバチに対して強い毒性を持っていることから、世界的に規制の始まっている農薬です。この評判の悪い“ネオニコ・ビジネス”に起因するブランドリスクを住友化学(株)はどう評価し、緩和するおつもりですか?

☆    殺虫剤をはじめ、化学物質を大量に投入する今日の農業モデルは、土壌の劣化や水質汚染などを引き起こしており、持続可能ではありません。生物多様性と共存しする「生態系農業」へのシフトが重要です。生態系農業に貢献する可能性としてはどんな展望をお持ちでしょうか。 

© Masaya Noda / Greenpeace

 

3. 住友化学のこたえ

住友化学の十倉雅和社長からは「世界の人口増加に対応するためには生産性の向上が重要です。病害虫の除去には化学的除去が最も大きな役割を果たしています」とした上で、「基本的には薬と同じで効くけれども、使用方法を誤ったり、環境に出ますとよくありません」「安全確保と環境負荷の低減を最重要事項と位置づけ、適正使用を推進しています」との説明がありました。

ブランドリスクの問題や、化学農薬に頼らない生態系農業への寄与については答えがありませんでした。

消費者の声への対応については「農家だけでなく養蜂関係者や消費者のご意見も、お客様相談室(注2)でお聞きしております」ということでした。

残留農薬のパブリックコメントについては以前、住友化学は「パブリックコメントを通じて得られた消費者の皆様の貴重なご意見は検討させていただいております。」としていました(注3)。このため今日は、具体的な対応をお聞きできることを期待していました。しかし回答は「パブリックコメントは相当寄せられたというような話を伺っております」(健康・農業関連事業を担当する西本専務)というだけでした…。消費者の声、本当に届いているのでしょうか?

 

 

今年創立100周年にあたる住友化学は、「次の100年」を見据えて「change and innovation(チェンジ&イノベーション)」をスローガンに掲げています。

せっかく「次の100年」を考えるなら、健康・農業関連事業でのビジネスモデルを持続可能にするために、持続可能な農業に貢献するモデルへのシフトをこそ考えるべきではないでしょうか。

   

© Masaya Noda / Greenpeace

 

4.ネオニコの禁止と生態系農業のために

長期的な視点で、有機・無農薬など生態系と共存する農業(生態系農業)へと進むことを目指しながら、最初のステップとして、目の前にある問題、たとえば有害性の高いことがわかっている農薬からまず使用をやめていく---そんなアプローチを一緒にすすめていきませんか?

グリーンピースでは今、みんなの声を力にするために、以下の二つをもとめる署名活動を実施しています。署名は今の国会の会期中に提出する予定です。ぜひ下のバナーをクリックして署名に参加してください。

● 子どもの健康影響への懸念やミツバチなど花粉媒介生物への影響のある農薬(ネオニコチノイド系など)の規制に着手すること

● 有機農業や自然農法など、生態系に調和した農業の価値を評価し、支援を強化すること

このバナー↓をクリック! (20秒でできます)

 

署名を広げていただけませんか?

もう、オンラインや紙で署名をしてくださった方、どうもありがとうございます! さらに、下記のリンクをクリックして、さらにお知り合いへ広めていただけませんか?

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★署名用紙で広める:もし、普段インターネットを使わない方がお近くにいらっしゃいましたら、こちらから署名用紙のPDFがダウンロードできます。

注1 グリーンピース・ジャパンはネオニコチノイド系農薬の規制と生態系農業の飛躍的導入を求め、株主総会への参加・議決権行使などのために、住友化学や日本曹達の株式を最小単位で購入しています。グリーンピースは、26日の日本曹達の株主総会でも経営陣にネオニコ系農薬についての考えを質問する予定です。

注2 お客様相談室(ナビダイヤルは0570-058-669)

注3 ブログ[2015年3月6日]住友化学からの回答がとどきました〜農薬メーカーもぜひ食べる消費者の声に耳を傾けてください