こんにちは。エネルギーチームの鈴木かずえです。

 

<写真 チェルノブイリ原発 グリーンピースのアーカイブより>東京電力の福島原発事故当時に日本の首相だった菅直人衆議院議員が10月17日から20日、チェルノブイリ原発視察のためウクライナを訪れました。(くわしくはこちらの菅さんのブログをどうぞ

グリーンピースは、チェルノブイリ原発事故の被害者の方や、地元NGOの方と菅元首相との懇談会の設定のコーディネートをお手伝いさせていただきました。また、ウクライナ訪問の最終日、グリーンピースと地元NGOで開いた記者会見に菅元首相をお招きしました。

<写真 10月20日の会見での菅さん>

 

「脱原発以外ない」チェルノブイリを視察した菅元首相

菅元首相は、20日にキエフで開かれた記者会見で、チェルノブイリと東電福島原発事故という史上最悪の原発事故を経験したウクライナと日本は、自然エネルギーへのシフトによって脱原発はできるということを世界に示すべきだ、との考を示し、「福島を経験し、チェルノブイリを見たことで、脱原発以外の選択肢はないと確信した」と述べたそうです。(くわしくは、グリーンピースのインターナショナルプレスリリース日本語版をどうぞ)

 <写真 10月20日の会見の様子。最右:アレクセイさん>

ソビエト製原子炉の延命

ウクライナ政府は現在、ソビエト時代に設計された旧型原子炉の設計寿命を超えて、運転期間の延長を目指しています。地元NGOのウクライナ・ナショナル・エコロジカル・センターは、この延長に反対していますが、その活動に対し、ウクライナの国営原子力事業者エネルゴアトムは、“ウクライナの設計寿命を超えての原子炉の運転についての情報を広めた”かどで同NGOを法的に訴えているそうです。

同NGOのアレクセイ・パーシュクさんは、会見で「1991年に独立した当時は、原子力産業の撤退の動きがあった。が、安全な廃炉のための資金を蓄えるという考えで稼働が続けられた。25年を経て、この国は、武力紛争のさなか、設計寿命を超えて原発の運転を継続している」と警告しました。

安全な廃炉のための資金獲得のために、危険な原発の再稼動はやむをえない..とは本末転倒ですね。

ウクライナの老朽原発の延命については EU(ヨーロッパ連合)の5つの国々の市民グループが、そのリスクについてウクライナ周辺国の市民が十分に情報を提供されること、決定プロセスにおいての発言権を持つこと、を要請するキャンペーンに参加しているそうです。

日本とウクライナこそ、脱原発を

日本の再稼動をめぐる状況でも、十分な説明や、意思決定への参加を求めている周辺自治体がありますが、原発事故の影響は国境をも超えますから、日本も、周辺国にも説明責任があるはずですね。

日本が脱原発すれば、ウクライナの厳しい状況だって変わってくるはず。今回、ウクライナのNGOとやりとりしたことで、自分たちの活動は、世界とつながっているんだなぁと改めて感じました。 

あなたも、ぜひ、グリーンピースのオンライン署名「とめよう!再稼動」に参加して、一緒に声をあげてください。