写真:みんなの応援で弁護団、申し立て人を送ることができました!

みなさん、こんにちは。マモさんことエネルギー担当関口です。

「高浜原発の運転差し止め仮処分裁判を応援しよう!」という呼びかけに応えてくださったみなさん、急な呼びかけにもかかわらず本当にありがとうございました!6日間で集まった467名分の手形とともに、「原発再稼働をとめてくれてありがとう」のメッセージを福井地裁へ届けることができました。

法廷に入る海渡弁護士や、申し立て人のお一人で私が川内原発前でお目にかかった水戸喜世子さんも、カラフルなバナーに笑顔で手を振ってくださいました。

 高浜原発 運転差し止め仮処分決定とは?

写真:高浜原発。差し止め仮処分のおかげで今止まっています。

「原発で重大事故が起きれば、住民の生きる権利が脅かされて、人格権が侵害される」ーー福島第一原発の事故を通して得た大きな教訓に従って高浜原発の運転差し止めを求めた訴えに、福井地裁(当時)の樋口英明裁判長含む3名の裁判官が今年4月に下した決定は「高浜発電所3号機及び4号機の原子炉を運転してはならない」というものでした。

差し止めるには理由がある

この決定の要旨によれば、運転を差し止める理由とは、「高浜原発を運転することには、切迫した危険がある」と判断したためだそうです。理由をマモさん的に要約すると…

1)高浜原発の耐震対策が信頼性にかける 

2)そのような状態であるため、原発の生命線とも言える冷却機能を失う可能性があり、重大事故が起きかねない 

3)使用済み核燃料を保管する施設の耐震性も十分でない 

4)関西電力の取り組み以前に、原子力規制委員会の規制基準も、原発の安全性を確保するのには緩すぎる

5)ということで、原発事故が起きた際には「債権者(申し立て人)は、取り返しのつかない損害を被るおそれ」がある

*詳しくはこちら!

たしかに、これでは運転してはいけない。

 

感謝

裁判を通じてこういった危険を明らかにしてくれた弁護団のみなさん、勇気を出して立ち上がった申し立て人のみなさん、そして運転差し止めの決定を下すことで原発を止めてくださった3名の裁判官。今年4月のこの歴史的な出来事を実現してくださった皆さんに、どれだけ多くの人々が日本中で感謝したことでしょうか。

 

異議申し立て

ところが、この決定を不服とした関西電力は異議申し立てをしました。そして開かれたのが今日で4回目になる異議審(異議申し立て後の審尋)でした。過去3回にわたって審議を続け、弁護団は毎回膨大な資料を提出して法廷を戦いました。そして今日をもって異議審の結審が裁判長より伝えられました。気になる結果は? 弁護団によれば、結果がでるのは1ヶ月先か2ヶ月先か…裁判官曰く「常識的な範囲の期間内に結論を出します」とのことだそうです。

 

今日の手応え?

 

写真:弁護団と申し立て人のみなさん。

審尋後の記者会見で、弁護団の河合弁護士、海渡弁護士から報告がありました。

「私たちには、基本的には言い残したこと、立証し残したことはない。人事を尽くして天命を待つ。という秋晴れのような心持ち。」河合弁護士

「地震動の問題などについて、被告側(関西電力)からは、きちんとした反論が出ていない。さらに有力な証言を提供できる用意がまだあるので、もう少し審議を継続したいと伝えたが、裁判官からはもう十分な、非常に充実した書面が提供されているとの返答を受けた。法律的、科学的見地からも徹底的な論争が展開できたと思う。」海渡弁護士

 

弁護士はこう言った

弁護団が伝えてくださったところでは、裁判官からは「(関西電力の側には)十分反論できていない事項があるが、そういった事実も織り込んで判断をする」という言葉も出てきたとのことです。弁護団の健闘ぶりが目に映るような表現です。

 

正義のための戦い

記者会見上の河合弁護士の言葉でとても印象に残ったものがあります。

「この日本から原発をなくすという戦いは正義のたたかいである。大飯、高浜原発が動いて事故を起こしたら、琵琶湖がやられる。これは1500万人の水源を守り、近畿経済圏を守る戦いである。私たちはそれを戦っているという自覚がある。」

福井県を訪れて地元の人々の生の声に触れ、福島県を訪れて被災した方々の言葉と除染の袋に埋め尽くされた光景を目にした私にも、この河合弁護士の言葉は真実のものとして響いてきました。

 

まだ続く正義のたたかい

写真:高浜原発の後ろには、澄んだ海と美しい空が広がっている。守りたいこの美しさ。

今回で高浜原発差し止め決定の異議審は結審しました。また、同じく本日開かれた大飯原発差し止め仮処分の審尋も今日で事実上の結審を見ています。この大飯原発の仮処分の方に関しては戦いはまだ続く可能性が残されています。

 

今回の結果の出る1〜2ヶ月後、そしてさらに大飯原発差し止め仮処分ふくめ全国で続いている反原発裁判を、今後も注目して、そしてみなで応援していきましょう。希望とともに!

 

*グリーンピースでは、異議審の弁護団に対して技術的または法的に関連性の深い資料の提供などを通してこの裁判を支援しています。

 

再稼働をとめるために、あなたにもできることがあります。「とめよう再稼働」への署名と拡散をぜひともお願いします!