みなさんこんにちは、食と農業担当の関根です。 

知っていますか?普通の農家さんの半分以上が「有機農業に取り組みたい」って考えていること。

農林水産省が2007年に発表したアンケート調査(注1)では、49.4%の農家さんが「条件がととのえば有機農業にしたい」と答えています。今後取り組むことを決めている農家さん(2.2%)を合わせたら半分以上。そのほか、現在有機農業に取り組んでいる農家さんは4.9%。

これは8年前の調査なので、農林水産省(農業環境対策課)によると、現在はもっと増えているだろう、とのお話。

図は「農林水産情報交流ネットワーク事業 全国アンケート調査有機農業をはじめとする環境保全型農業に関する意識・意向調査結果 H19年」 より

では「条件がととのえば」とは?

約半分の農家さん、そして約7割の幼稚園が有機にしたい!

必要な条件としていちばん多かったのは、生産コストに見合う価格で取引してくれる販売先があること。

有機農業や無農薬の農業はどうしても手間がかかり、それに見合う値段で売れることはとても大切。

一方、グリーンピースのハッピーランチガイドで幼稚園の意向をアンケートした結果でも「将来、無農薬の食材を提供したい」、と答えた幼稚園が約7割ありました(ダウンロード版ではその幼稚園のリストも公開中)。

この、約5割の農家さんと約7割の幼稚園、生産者も消費者も有機にしたいポテンシャルはとても高いことがうかがえます。

それで、価格はというと?

ハッピーランチガイドでは、有機農家さんと幼稚園・保育園が直接つながり、販売する農家さんにとってもコストに見合い、購入する園にとっても高すぎない価格で取引し、子どもたちに安心な給食を届けている事例を紹介しています。また、有機農家さんと地域の消費者がつながって、消費者と農家さん両方に納得のいく取引を可能にしているCommunity Supported Agriculture(CSA:地域に支えられた農業)の取り組みも。あなたの近くの幼稚園はありますか?まだ見ていない方はぜひダウンロードしてみてください。

有機を目指す農家さんのための技術や経営の支援は?

条件として次に多かったのは、収穫量や品質を確保できる技術の確立。

農薬にたよらず生態系の力を最大限利用して害虫をコントロールしたり、化学肥料を使わずに腐葉土や有機肥料で土を豊かにしたり、そして収穫量も必要なので、技術の確立は重要です。そして同時に、農法を変えるリスクに対するサポートも不可欠です。アンケートでは行政の支援や経営を転換(有機に)するときの資金の確保なども必要だ、と回答されています。

では実際、技術や経営についての国の支援は、というと?

今年の10月、農林水産省の農業環境対策課にお話をうかがいました。

「有機にしたいと思っている農家さんにどんな技術支援をしていますか?」

「有機に転換するときの経済的な支援や補助制度はありますか?」

「農業試験場などでは有機農業の技術研究はしていますか?」

こたえはいずれも「ありません」。

このアンケートから8年たつのに…?

有機無農薬の農業にもっともっと支援を

国の取り組みは遅れていますが、自治体や市民レベルのとりくみは各地で進んでいます。有機農業に積極的な支援をする都道府県やブランド化して販売促進している自治体、県で農業者を育成する農業大学校でも少しずつ、有機農業のコースをおく県が出てきています。

また、稲作では、無農薬の稲作技術を研究する民間稲作研究所などで、堆肥をいれるタイミングや量の調節や、生物多様性を高めて点滴によって害虫を減らしたり、お湯で寝病害虫を抑えたり、といった技術を研究・公開しており、理事長の稲葉さんは「稲作では有機農業の技術はもう確立できている」といいます。

農家さんや消費者、幼稚園などの期待とともに、有機農業に取り組みやすくするよう市民の声を大きな力にしていきませんか?

子ども・ミツバチ支援法を求める署名では、ネオニコチノイドの規制法を求めると同時に、農薬の代替策として有機無農薬の農業の支援を強化することを求めています。

下のバナーをクリックして、ぜひ署名にご参加ください。

署名は来年の通常国会が始まったら提出の予定です。

もう署名してくださった方は、お友達にシェアおねがいします。